資産デフレで読み解く日本経済―深まる縮小均衡の危機
「資産デフレで読み解く日本経済」第一生命経済研究所(図書館)を読む。面白い。
経済書。2003年発行。
"リフレの入門書として悪くない、最初にコレ読めば良かった"等と思ってけど、195頁を読むと
「日銀はこれまでも大量の国債買いオペを実施しているが、インフレ期待は形成されていない」
とあった。リフレ派と主張が違うようだ。
政府・日銀は土地(証券化含む)を買え、というのが本書の主張らしい。
他メモ。(以下の考え方が正しいかどうかは保証しません)
・良いデフレは供給量の拡大によるデフレ。悪いデフレは需要量の減少によるデフレ。
(良いインフレは需要量の拡大によるインフレかと思われる)
小泉改革は供給サイドの改革。需要が不足してるデフレ状況では、供給を拡大させるのは逆効果。
・非ケインズ効果-財政状態の悪い政府が景気振興の為に大盤振る舞いをすると「将来増税じゃね?」と逆に疑心暗鬼になり、消費を控えるという考え方。
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感想
データありきの文章は好ましい。が、ソレとコレ関係あるのかなと首ひねるのも多い。
地価の多寡が銀行融資の際に信用保証の基準となり、地価が上がれば貸し借りがスムーズになる、という理屈は理解。
しかし、地価ってわざわざ政府が上げるものか?という疑問が消えない。"低金利下のデフレ"という未曾有の事態なので、通常と違う事をしなければならない……という理屈は「何でもやって良い」という意味ではないよね。土地を買うといっても、どこの地方を買うかの地域経済止まりの話ではないのかな、良くも悪くも。 商業地を買うのか他を買うのか不明だけども。
地価が上がるというのは資産増には違いないけど、
・ただ住んでるぶんには税金が増えるだけ
・新しく家を買うぶんには買いにくくなるだけ(住宅投資が落ち込むと思う)
・商業・オフィスの賃料が上がるだけ(開業率が減ると思う)
と思い浮かぶ。景気浮揚になるかは疑問。
地価が下がってるうちに地方自治体が用地買収して道路建設やら駅前開発やら やってしまおうというならわかる。「景気回復の為」ではなく、「市場原理に従って安いから」買うというのなら。