恐慌の罠―なぜ政策を間違えつづけるのか
「恐慌の罠」ポール・クルーグマン(図書館)を読む。面白い。
経済書。リフレの震源地。2002年発行。
割と読みやすい。わからん所はわからんが。
(インフレを懸念する当時の日銀について)身の回りのあらゆる場所でデフレが起きていてもなおインフレを心配するというのは、いかにも中央銀行らしい発想である。ノアの洪水が起こっている最中に「火事だ。火事だ」と叫んでいるようなものである。(18頁)
・1ドルに対し160円くらいまで円安にすべき。(17頁)
・公共事業を増やすケインズ政策は短期的には有効だが、長期的な問題を解決するには有効ではない。(29頁)
・日本の不景気の構造的な要因は 貯蓄率の高さ*1 と 少子高齢化の人口構成*2 である。(6頁)
・需要というものは、供給よりもはるかに心理学の領域に含まれる範囲が広いといえる。供給は物理的な状況、消費は感情によって決まる。(86頁)
・住宅投資は金利に敏感。企業の設備投資の方が鈍感。(50頁)
ピグー効果-デフレにより消費意欲が湧くという考え方。(163頁)100均で買い過ぎるようなもんか。
・(短期的には)戦争は通常、景気を悪化させるよりもむしろ刺激するものであるということを覚えておく価値はある。(105頁)
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感想
流動性の罠」を再発見したのが本当に嬉しそうだ。考古学者と同種の喜びだろうか。
流動性の罠」への処方箋も、自信満々でないぶん好感が持てる。未曾有の事態に誠実に考察してる感じ。当事国でなければ、クルーグマンの言うとおり実験して試してみたい気もする。
感想リンク 硬派の演劇部さん 日々平安録さん 蟲眼日記さん

*1:家計貯蓄率は激してるが、、、総貯蓄率は企業が金余りなので微減の様子

*2:移民受入れについても少し言及している。まあ、日本は無理だろ みたいな感じで。