ダークナイトライジング」を観る。つまらなかった。
平日初回のシネコン。1200円+駐輪代100円。
タイバニ火の鳥を合わせたアメリカご当地映画。日本でも反格差デモが盛り上がってたら臨場感を持って観れたのだろうなあ。
敵の部下が犯罪者というより、反格差デモの人のように思えてきてバットマン向きの事件では無いと思う。
最初の方は
「床ドンしても気づかれない程の豪邸だなー」とか
「なるほど。キャットウーマンが取引場所で相手に電話を使わせたのは指紋の問題か。誘拐をなすりつける気だ」
とか面白く追っていたのだが。
オチが日本映画かと思うほどひどかった。救いは警察のブレイクさんかな。表情よい。
ポスト「ダークナイト」としては、この間BSで観た「シャーロック」のテレビドラマの方が面白い。
感想リンク  honkyochinikkiさん また君か。@d.hatenaさん とりあえず、なんとなくさん
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アメリカご当地の雰囲気を知る上で参考になった、同時期読んでた本↓
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世紀の空売り 
「世紀の空売りマイケル・ルイス(図書館)を読む。面白い。
原題は"THE BIG SHORT"。ロングは株など価格上昇を願い長期保有する事。ショートは逆に空売りの立場。金融危機を予知し、世界の崩壊に賭けた人たちの実録もの。サブプライムCDS等。
複数の人物を追って事態を説明しているので、誰が誰だかわからないまま読み進めたが雰囲気は伝わった。とりあえずロングとショートだけ覚えた。
以下抜粋

頭にふと皮肉な問答が浮かんだ。収入増の望めない貧者に、金持ち気分を味わわせる妙薬は? 金利の低いローンを与えること。

アメリカ債権市場に対するアイズマンたちの姿勢が最終的に固まったのもラスベガス*1でのことだった。ダニエルが振り返る。「それは我々が『なんてことだ。こんなの信用貸しじゃない。でたらめなマルチ商法だ』と口に出した瞬間でした」。ラスベガスでは3人の胸にくすぶっていた疑問…この債券市場の連中は我々の知らない事を知っているのだろうか?…が鳴りをひそめてしまった。かわって湧いてきた疑問は、この連中をただクビにするだけでいいのか、それとも牢屋にぶち込むべきか、というものだった。
(略)
「数ではボンクラが詐欺師を上回っていましたが、詐欺師の方が身分は上でしたね」*2

「最後のカモ、みずほ証券」の小さな章タイトルで思わず笑ってしまった。まあ、格付けトリプルAなんだから騙されるよね。
発端はモーゲージ債(住宅ローン債)に投資しやすくなった仕組みを開発した事で、当初、モーゲージ債に投資家が二の足を踏んだのは以下の理由だった。
住宅ローンの借り手は満期になる前に繰り上げ返済*3を行う事ができ、投資家にとっては不安定要因だった。一番都合の悪い時にお金が戻ってくる。
以下解決策。
住宅ローンを集めて巨大なプールを作り、切り分けて、それぞれトランシュ*4と名付ける。
第1トランシュは貸し手に高い利率を与える代わりに、繰上げ返済の波を真っ先にかぶる事にする。
逆に最上階のトランシュは低い利率の代わりに、繰上げ返済の波をかぶらない(最後にかぶる)。
この応用がサブプライムローンになった。はじめの 1歩。
感想リンク ラディカルな經濟學さん
関連自己リンク 「バーナンキは正しかったか? FRBの真相」本感想
画像リンク デビルドエッグ

*1:年に1度の大規模な業界の懇親会がラスベガスで行われていた

*2:とはいえ「ぼくらは解釈を間違えていました。投資銀行はトリプルAのCDOを韓国の農協かどこかに売ったのだろうと、ずっと思っていたんです。ああやって、次々と自滅していくところを見て、そうじゃなかった事がわかりました。自分たちでかかえこんでいたんです」の頁もあり。

*3:借り換え含む

*4:ネットだとトランシュではなくてトランシェになってるな。この本の表記では確認したけどトランシュ。