イトーヨーカ堂とコアマガジン

・ヨーカ堂、正社員を半減 パート9割に  :日本経済新聞
.. 反応リンク: はてブ 城繁幸(コンサル社長)
・移籍の最大理由は不安定な雇用関係? コアマガジン→ワニマガジン大量移籍問題の真相(1/2) - 日刊サイゾー

(コアマガジンは)契約社員のままという優秀な編集者が何人もいたんです。対してワニマガジンは、コアマガジンよりも正社員になれるチャンスが多い。そのために、一緒になって移籍を決意したようです

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まず話題のヨーカ堂から補足。補足というか誤解されがちな事から。
正社員の首切りを実施する訳ではなく、

正社員の削減はグループ内の他社への転籍や、採用抑制によって実現し、希望退職は実施しない方針

との事。つまりヨーカ堂単体だと「人件費を100億円削減」だろうが、グループ全体だと数字がわからなくなってくる。増なのか減なのかもよくわからない。*1
が、大雑把に言えば「雇用の質」を落として「雇用」を増やすという戦略だろう。安く使って人を増やす。
「つまり失業かワープアか選べ、ということだろう。選択自体がクソだ」
と反発する意見もあろうが、景気が良ければ「雇用」も「雇用の質」も改善するだろうし、景気が悪ければ「雇用」も「雇用の質」も改悪する。一定の条件*2で「雇用」と「雇用の質」はバーターの関係、ゼロサム的な関係、こちらを立てればあちらが立たず…ならば、どう選択するか、という命題。
自分の結論を言えば、失業率が低い時は「雇用の質」を重視し、失業率が高い時は「雇用」を重視すべき。例えば失業率が高いなら派遣労働も認める等。
で、失業率の高低は均衡失業率*3と失業率の差、つまり需要不足失業率で考えるべき。今の日本の需要不足失業率は高くない。 よってワニマガジンが正しく、イトーヨーカ堂コアマガジンが間違っているという結論。
まあ、ヨーカ堂も一部のパートに3倍の時給を払う(雇用の質を上げる)などメリハリをつける計画なので一概には言えないが。……時給800円が2400円か。流通・小売の平均時給が1600円て社員の平均時給だよな。

*1:更に厳密にいうと「約2500人」が計画により増えるというが、この計画が無かった場合、つまり通常ならどれくらい人が増えていたのか減っていたのかも不明だ。

*2:ただ実際リフレ派などの言う不況下での「実質賃金(雇用の質)下げて雇用増」が機能するとは思っていない。不況下でそれをすると消費の紐を締めて不況が長引いてしまう。ヨーカ堂は業績悪化でリストラしているのではないから雇用増できる。雇用増が成立するのは業務が増える(増やす)見込みある時のみ。

*3:均衡失業率�霄ɺ骸唆販┐如△修旅颪任匹Δ靴討盻个討靴泙♦唆箸領┐箸いΔɒ把礇薀ぅ鵑亮唆販┐箸いΔ�