神栖は茨城

新世界より (上) 新世界より (下) asin:4061826603
新世界より」上下巻 貴志祐介(図書館)を読む。面白い。
北関東SF。大作。
少年少女が切磋琢磨して試練を乗り越えていくというと「エンダーのゲーム」が、そういう話だっけか。いや、なんか恩田陸「ロミオとロミオは永遠に」と「エンダーのゲーム」が ごっちゃになってるな俺の頭の中。そういえば「ふたつのスピカ」(漫画)も少年少女が頭脳を駆使して課題をパスする要素があったっけ。
というのが最初の連想。
読み進むにつれて神林長平七胴落とし」、新井素子二分割幽霊綺譚」、竹本健治腐食の惑星」、冨士宏午後の国物語」(漫画)、コードウェイナー・スミスノーストリリア」など連想。あとは山田正紀「宝石泥棒」かな、イメージ造形的に。
SF好きなら読むべし。最近の読むべきSFといったら、本書「新世界より」(2008年)と仁木稔ミカイールの階梯」(2009年)の2冊を推す。貴志祐介はSF畑の人じゃないから、SF界から冷遇されてるのだろーなー等と勝手に想像してたら、本作で日本SF大賞を受賞してた。けっこうSF界も心広いな、たまには。
一番好きなのは霞ヶ浦探検パート。下巻の病院ホラーの場面も雰囲気あった。瞬が少し勿体ない気がするが、瞬の退場がジュヴナイルの終わりで愛惜の感情が増幅されてるのかもしれん。
ジュヴナイル性を維持するなら、後半の主役交替はストーリーとして有り得ただろうか。主人公の子供を創出して主役交替(早季をあっさり死亡させる)。そうした場合の"作品の得失"を妄想中。
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