からくりからくさ isbn:4101253331
蓋の遥か下には溶鉱炉のような業火が燃え盛り、そこに落ちまいとする無数の臓物が出口を求めて絶望的な努力を続けている。そして蓋は一度開くと際限がない。地獄だ。
「からくりからくさ」梨木香歩(図書館)を読む。面白い。
大作。与希子と紀久(ヨキ・コト・キク)の物語。器(容器)を提供する蓉子。他者としてのマーガレット。4人の美大チックな共同生活の話。染物織物系。
過去の事件の開示手法はミステリ風。
手作業が情動を散らす方法なら、織物の集合から痕跡を再読込できるだろうか、と紀久。彼女が本編の主人公と見た。
あと芸術の豪華さとか。 「芸術が永遠」と言うのは文字に支配されてる人の思考停止なのだろう。
女性が家で機を織り、男が外に野たれ死に行くのも古典的だが正統(オーソドックス)だ。

関連漫画 isbn:4757708084 isbn:4805004363
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他著書自己リンク 「エンジェル・エンジェル・エンジェル」