私が語りはじめた彼は
「私が語りはじめた彼は」三浦しをん(図書館)を読む。面白い。
不倫の連作。さすが幻の芥川賞作家(勝手にそう呼んでるだけ)。今、純文学で頂点ではと思った。(「アフターダーク」やら「蹴りたい背中」やら未読だし読まない世界も多いのだが)
最初の短編にガツンとやられ(絡み獲られ) 本書の中でも一番かと思っていたが、二回目の読み直しの時に表現が大袈裟すぎてシェークスピアみたいだ(読んだことないが)と引いてしまい評価が下がる。三回目以降の読み直しの時はそれほどの違和感は感じなかったので不思議。
今一番良いと思うのは簡潔で完結な(比較的独立してる)二番目に収録されている短編。
後半の短編のほうが緊密な締め付けが緩くなる。一編抜いても良いかも。