「文章力の上げ方教えて」「本いっぱい読め」ってアホかい(はてな匿名ダイアリーさん 便宜的にAさん)
俺らラノベの賞に応募する側の本音(はてな匿名ダイアリーさん 便宜的にBさん)
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コンテスト下読みのAさんは「駄文に埋もれて大変なので応募小説の質を上げたい」というお悩みの趣旨なら、

うまくなりたいならたくさん書く。

の啓蒙は逆効果だろう。「たくさん書く」のはレベル上げに有効かと思うけど「大量の意味不明の小説をなんとかしたい」に対応する解決策ではない。正に逆効果のNGワード
「応募する前に1回、他人に読ませて"わかりにくい箇所"と"わからない箇所"にを入れて貰う」のが適切な解かと。NGワードを入れたおかげで文章の力点がわかりにくくなり、恣意的な解釈を許す雑文となっている。
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まあ、この雑文で一番印象に残ったのは、前フリ*1-外した結論*2ではなく、その途中の視点うんぬんの件だ。
新人発掘のポイントは
・読んで楽しい文章力
・既存と一線を画す新奇性(なにかしらの新しさ)
・破綻のない構成力(一番避けたいのは破綻ではなく停滞かも)
の3点。つまりオリジナリティだ、と想像する。視点うんぬんの教科書的訂正は、編集者スキルで修正可能な話な筈。別にオリジナリティの要らない技術的な部分なのだから。*3
上のように考えるのは、作家の書いたものって結構編集者に直されるじゃん、という認識がまずあるから。
支倉凍砂(「狼と香辛料」の人)インタビューで「その時担当さんの手元にあった(支倉の)原稿に、日本語の間違いを示す添削の赤いチェックが死ぬほど入っていた〜」とあったり、有川浩(「図書館戦争」の人)塩の街」ハードカバー版あとがきで「編集者の助言で構成を変えた」旨を書いてた。
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Aさんの「ラノベ応募作品の質が落ちている」という観測が正しいなら、ラノベ自体の力が衰えているのかもしれない。面白い人たちを吸引する力が。
ラノベというジャンルの問題かもしれないし、小説というメディア全体で吸引力が落ちているのかもしれない。
又はAさんのレーベルが「同じ穴のドジョウ」を狙いすぎて新しい要素を取り込めていない、という編集者側の責かもしれないし、減点法で原石を取りこぼしている賞の下読みが原因かもしれない。などなど。
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文章力の実際的なアドバイスはてブid:aruzentinaさんの

氷室冴子だったかな? TVドラマを見て、そこから文章に起こす…ってことをやってたのは。なるほど…と思ったなぁ。

とか*4はてな匿名ダイアリーCさん(視点)とか、はてな匿名ダイアリーDさん(書き出し)とか。
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応募小説で一番大量発生してげんなりしそうなのは"自分(書いた人)が透けて見える小説"ではないか、と思ったり。
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Bさんの文を読んでの率直な感想だが、どうしてもBさんが「クリエイター」と思えない。
今まで何百回も言われてた言説を改めて再構成した という作業がこの文章だろう。
なにか書けば出来はどうあれその作品に愛着を持つもので、その好きさが無いと完成できないのだ。馬鹿馬鹿しくって。
日曜批評家か、誰かの作品に作業的に関わった人ではないかと予想。Bさん。
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と、長い前フリをしてハードルを上げた所で、次エントリで昔書いた小説を上げる。高校の頃 書いた。

*1:意味不明の応募作品に埋もれてる自分を救うべく、応募者たちに文章力アップのアドバイス

*2:うまくなりたいならたくさん書く

*3:視点が駄目な作品は中味も駄目、という経験則があるのかもしれないが、テスト採点と間違えてはならない。何が一番大事かといえば編集者が触れる事のできないオリジナリティだろう。

*4:観たテレビドラマを勝手に小説化って事か。模写みたいだ。