1-3巻

革命のライオン (小説フランス革命 1) バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2) 聖者の戦い (小説フランス革命 3)
「小説フランス革命」1-3巻 佐藤賢一(図書館)を読む。面白い。
ネッケル、ミラボーロベスピエールなどが登場人物。*1
「1人に思い入れしては全体を描ききれなくなる」「でも、いつも通りにねっとりと思い入れを込めたいなー」という作者の逡巡が見えるような気がする。
暴動が革命になるのは学問の素地があるからで、日本は儒教国学としてしまったのが停滞の原因だろうか。江戸にも当然法律があった事は佐藤雅美縮尻鏡三郎シリーズを読めばわかるし、出版事業も確立していた。が、江戸には法律家が政体を論じるような文化は存在しなかったし、フランス革命は起きなかった。
…というか、フランス革命はフランス以外では起こり得なかった奇跡の政治事件なのかも。「フランスで起きなかったら、どこか別の国で似たような事が起きるだろう」というのは間違った認識だと今は信じてる。
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人権宣言の9条で推定無罪を謳っている。

どんな人間も有罪宣告を受けるまでは無罪と推定されるがゆえに、逮捕するべきであると判断された場合でも、その身柄を確保するために必ずしも必要でない苛酷な仕打ちは、法律で厳に抑止されなければならない。

現在日本の逮捕者実名報道フランス革命の精神に反しているなー、と思いながら読んだ。
感想リンク 林田力(3巻) 寄り道カフェさん
関連リンク 
佐藤賢一が答えるQ&A
革命のパリ地図 佐藤賢一 (4巻以降のネタばれもあり)

*1:ちなみにカミーユ・デムーランは作者の創作かと疑っていたが実在の人物らしい。詳しくは見てないがWikiに記述があった。