シャングリ・ラ
シャングリ・ラ池上永一(図書館)を再読する。面白い。
SF。前半やや鬱、後半は狂躁展開。

悲しみは中庸の感情だとミーコは知っていた。悲しみは喜びと怒りの狭間にある感情だ。

守るものが多すぎて、むしろ孤独は息抜きですらあった。*1

GONZOは潰れて正解。こんなに面白い小説をあそこまでつまらないアニメにする会社は消え去るが正義かと*2
オリジナル展開がひどい というより、説明が常に足りないアニメだった。物語の構造として誰と誰を目立たせるべきという点でも失敗。
この原作小説にしても設定の不備はある。まるで東京以外の日本は存在しないかのようだし、ブーメランはブーメランじゃないし、小夜子はリブートしすぎ。そもそもアトラスという孤絶した地域が"都市"として成り立つのか、という点からアレだが…。モノやヒトが移動しない(しにくい)都市って致命的だろ。*3
"まあ、その辺は目をつぶってストーリーを楽しもう"という大仕掛け・エンターティメント性がある。アニメ観て絶望した人も騙されたと思って読んで欲しい。
終盤バタバタしすぎの感あり。ギリシア神話からの命名も小説というメディアではカタカナが強調されてて効いてる。
感想リンク ほぼ読書日記さん 成馬零一

*1:北条國子の心情

*2:角川のアニメ誌「ニュータイプ」連載作品だった、という事を考えると尚更惜しい。ブギポのメディアミックス失敗と同じくらいのダメージじゃないだろうか。作品のポテンシャルからすれば。

*3:まあアトラスランクはシンガポールの移民制度を少し連想した