首を斬られにきたの御番所 縮尻鏡三郎 (文春文庫) 浜町河岸の生き神様 縮尻鏡三郎 (文春文庫)
「首を斬られにきたの御番所」「浜町河岸の生き神様」佐藤雅美(図書館)を読む。面白い。
縮尻鏡三郎シリーズ2作目3作目。江戸の訴訟もの短編集。前作リンク
以下雑感。
不倫が死に直結する時代というのは、燃えるシチュなんだろうか逆に。身分違いの恋と合わせて心中の時代だった。
町人と貧しい武士は寺子屋でも道場でも結構混ざっていて連帯感があったらしい。同じ釜の飯の仲間として。上級の武士は、家庭教師つきの子供時代で彼らと分けられて育つが。
江戸の法律では、盗品を買った場合、店側の過失として損害を店が被って無償で盗まれた人に返していた。現代だと"善意の第三者"として店も保護されるな。(盗んだ人に対して、被害者が請求するか店が請求するかの違いだが)
藩は江戸で出費する一方だが、讃岐から江戸屋敷に金毘羅様を勧請して一般の参詣を許し、潤った例もある。二番煎じで水天宮も久留米から勧請したもの。キャラ商売という事で萌えおこし連想。
大名貸しと"切金裁許"の関係も、現在の銀行と赤字自治体の関係に似て面白い。"切金裁許"とは金銭トラブルに対する幕府の裁定結果の1つで、"元金だけの分割返済"の事。元々は利息を取っていたのだけど、返せないんじゃ利息なしでも仕方ないの発想だろうか。現在でも芦別市(北海道)の例が近いか。→参考図書「自治体クライシス」
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