インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書) 
「インテリジェンス 武器なき戦争」佐藤優 手嶋龍一*1(図書館)を読む。面白い。
元外交官(佐藤)とジャーナリスト(手嶋)の対談本。佐藤は鈴木宗男ラスプーチンと名付けられたロシアに強い外交官だった。手嶋は元NHKワシントン支局長で「ウルトラ・ダラー」という小説も書いた人。
冒頭、お互いへの誉め具合が印象的。或る意味オタクっぽいし、こういう風におだてて情報を取るのかと思うとリアルだ。
読後、佐藤優はともかく鈴木宗男への印象が良くなったが、これも狙った効果というか計算されたホメ技術なのかも。
以下メモ。
・ロシアへのお土産品を東京(外務省)に任せるとロクな物を買わない。七宝焼きの筆箱とか。変な利権の絡みを疑うくらい(笑)。
・国内の防諜と国外の間諜は考え方が違う。日本の警察官僚(防諜)は「情報を取りに行く人に対しサポートチームを出して守る」という発想。対して佐藤は「もしモスクワでそんな事をしたら全員捕まりますよ」と返した。
防諜の人は公権力が背景にあるので"力で押さえつければ良い"と考えがちとの事。
・佐藤は民主党の偽メール事件での前原誠司党首(当時)を批判。情報の取扱いが軽率でとても国を任せられない、との事。
でも「イラク大量破壊兵器がある」という偽情報を信じて、日本はイラクへの侵略戦争に加担したんだよな。
日本が独自の偵察衛星を持つ事について、佐藤は「日米同盟を危うくする」と懸念。『アメリカに情報を依存する現状を嫌がってるようで、アメリカから嫌われるかもしれない』という謎理論だった。稀に見るほどの対米追随派。
感想リンク hiogさん

*1:原著での名前順は手嶋が先で佐藤が後。が、読後の感想としては佐藤がメインだろうと思ったので順番を変えて表記した。