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「縮尻鏡三郎」佐藤雅美(図書館)を読む。面白い。
江戸の訴訟もの。主に短編の連続で長編にしてる。
調べて書く作家、という感じでドラマ性は程々。と思ったら直木賞も獲ってるのか意外。
本作は勘定奉行所を辞めたリストラ浪人が、大番屋という民間*1の仮牢の責任者になり、民事刑事の事件を江戸の法律知識を駆使しながら解決する、という話。11代家斉の頃。
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最近、江戸ものをよく読む。中年の定番。
近藤史恵の猿若町シリーズや山手樹一郎「浪人市場」や本作「縮尻鏡三郎」を読んで*2、江戸の仕組みがわかりかけてきた。
勘定奉行/町奉行*3/寺社奉行が三奉行で江戸の侍は出世して勘定奉行か町奉行になろうとしていた。しかし、町方の同心/与力などはどちらかというと汚い仕事(不浄役人)として敬遠され、勘定方の仕事*4から勘定奉行か町奉行になるのがコースのようだ。ちなみに寺社奉行は大名のみ。
駕籠訴(かごそ)という直接偉い人に訴える江戸期の訴訟手続きは明治の田中正造の直訴に繋がってるのかな、と妄想。
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感想リンク 気ままな読書日記さん 時代小説県歴史小説村さん
佐藤雅美他著リンク →「大君の通貨」