将棋の子 (講談社文庫)
「将棋の子」大崎善生(古本)を読む。面白い。
将棋ルポ。大崎善生は初めて読む。
26才*1までに、四段に上がれなければ退会しなければいけない奨励会を描く。
三段までは収入が保証されないアマチュアに過ぎず、退会は将棋以外なにも知らない若者が世間に放り出される事を意味する。四段と三段の差は正に天国と地獄。
泣かせ不幸バナシもあるのだが、プロローグとエピローグが繋がったトコで泣いた。横歩取り8五飛!!(←リンク先は本書読んだ後に読んだほうが感動的です)
将棋に関係なさそうな描写は、結構とばして読んだ。
その他
真剣師(賭け将棋を生業)だった花村元司は、強すぎて相手がいなくなり、プロ棋士になろうとする。当時の名人に頼んだところ、途方もない試験料を前払いし、対局して勝てば返却されるが負ければ没収という条件を提示される。花村は世話になっていたヤクザに金を借り、死を覚悟して対局し勝つ。
羽生善治以降は高校へ通う奨励会員が主流となる。
高校生活に時間を取られるのは不利だが、有り余る時間で不安と戦うよりマシらしい。
奨励会を退会した加藤昌彦は挫折感と戦うため、ストリートファイトを始める。「そのうち殺されるぞ」と忠告されるが、結局飽きるまで連戦連勝だった。
奨励会を退会した江越克将は師匠に今後を相談した。15才で自分の才能に見切りをつけた江越だった。
師匠は「いっぺん海外でも放浪したらどうか」と言ってみたが、実行可能とは思ってなかった。一週間悩んだ江越は師匠の言を実行する。江越の挫折感は思っていたより、ずっと深かったのではないかと師匠は気付く。
江越は10年後、ブラジル代表として、世界将棋選手権を制す。
感想リンク ドロップキックアウトさん
連想図書 isbn:416720908X
連想漫画 「ハチワンダイバー
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*1:奨励会足切り年齢は時代により異なる