ラス・マンチャス通信
「ラス・マンチャス通信」平山瑞穂(図書館)を読む。面白い。
日本ファンタジーノベル大賞受賞作。それにしては悪い意味で純文学だ。空白を埋めるのがファンタジーで、スタイリッシュに空白を配置するのが純文学なのかな、と思ったり。
主人公が異質なモノに次々と出会う小説。頭は良いけど(おそらく外見も良い)決定的に世渡りできない主人公なので、そういうセルフイメージを持ってる人向きの小説。だらしないまま流されて終わるのかと思ったけど、最終話で変に、いや正統に物語して終わっていた。
本作の一番の魅力はイメージの豊富さではなく、語り手でもある主人公の話の語り具合。話があちこちに振れ、主人公の世界への独特な興味・執着が酩酊感を誘ってた。

感想メモリンク Hybrid No.9→underdogさん ストイックが言い訳にさん 佐藤哲也 コンバンハチキンカレーヨ再さん 美しい睡死人さん
平山瑞穂はてなダイアラーさんでもあり、佐藤友哉の「子供たち怒る怒る怒る」の書評を書いていた。
http://d.hatena.ne.jp/hirayama_mizuho/20050626/p2
ちょっと本作と同テーマかなと思い、興味深く読んだ。
表紙の田中達之は本作の為に描いたのではなく、アリものを使用したようだ。「田中達之作品集CANNABISWORK」(2003年発行)の絵では天照皇大神宮の張り紙も読める。田中達之はゲーム「リンダキューブ」の人。