竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
竹取物語」 角川書店編(図書館)を読む。面白かった。
作者不詳の古典。章ごとに訳と解説が付いている。
「蓬莱の玉の枝」を取って来い(リトリーブ)と言われた婿候補の一人は藤原不比等がモデルらしい。体制批判との事だが、やはり物語はリアルタイムで読むのが一番面白いのか。
かぐや姫帰還の場面は天皇の兵隊2000人が月の使者を迎え撃つのだが、使者を見ると戦意喪失(心地ただ痴れに痴れて)するのがSFっぽい。竹取翁が使者に向かって「人違いじゃないですか」とトボけるのも、小さいモノが大きいモノに屈さない意地だ。
去り際、天の羽衣を着るとかぐや姫が地上にいた時の記憶を失くしてしまう設定も非常にSF。(天の羽衣うち着せ奉れば、翁をいとおし、かなしと思しつることも失せぬ)
最後、天皇かぐや姫の残した不死の薬を捨てるエピソードもなかなか無いと思う。