「アラブ的思考様式」 牧野信也(図書館)を読む。ISBN:4061583980
その言語(アラビア語)からアラブの性格を読もうとする学者の本。
前書きでの作者のアラブ体験は使用言語を理由に謎解きするのは無理があると思った。
それはそれとして、面白いと思ったのは↓
マホメット以前 支配者層に属する職種として「詩人」がいて、他の部族と意思疎通できる「詩的共通語」を喋ることができた。他部族との争いの時は戦いの前に部族の詩人が、ラジャズというリズムにのせて詩の掛け合いをした。詩人は自らの部族を褒め称える一方、相手を辱める即興詩を投げかける。もし、歌合戦に敗れれば武器を取る前に戦いは決するという。
えーと、「8Mile」みたいだ。
またアラビア語では合成語が無く、全て別個の言葉となるとの事。つまり雄ラクダ、雌ラクダ、子ラクダなど「ラクダ+状態」という言葉ではなく、それぞれ全然別の名詞となる。また動詞で「歩く」という言葉も「ゆっくり歩く」「はやく歩く」「威張って歩く」「夜歩く」など別の動詞となる。辞書が一番厚いのはアラビア語ではないだろうか。