スコッチに涙を託して (角川文庫)
「スコッチに涙を託して」 デニス・レヘイン (図書館)を読む。面白い。
チャンドラに始まるハードボイルドの系譜。
「汚い世界を放浪する孤高の魂」というアレだが、世界の汚さ具合が秀逸。これでもかこれでもかと執拗に世界の臓物を開示する。人種問題とか、子供の虐待とか。世界の描写で主人公が霞むくらい。
パトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズはPC(政治的に正しく配慮のある描写・表現)に配慮してるだけのつまらない小説だな、と思って読むのを止めたが、本書みたいにここまで政治的に突き詰めていってると面白い。後何冊か試してみる。
デニス・レヘインのこのシリーズはクリントン大統領が夏の別荘に持って行く1冊に選ばれたとのこと。(これを選ぶクリントン大統領の方が偉い気がする)

所有してるハードボイルド小説
レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」「さらば愛しき女よ
ロバート・フェリーニョ「無風地帯」「チェシャ・ムーン」
あとマイケル・Z・リューインとか好き。