メシアの処方箋
「メシアの処方箋」 機本伸司 (図書館)を読む。面白い。
前作「神様のパズル」では宇宙をつくる(できたんだからつくれんだろ)青春小説だったが、今回は物理学ではなく、生物学方面。メシアをつくります。
現代科学を駆使してプロジェクトを遂行するというと小川一水の「第六大陸」(isbn:415030727X)を思い出す。本書は個人のプロジェクトに近いので、よりいきあたりばったり感が強いが。
大事なのは知的興奮の為のシミュレーションというだけでなく、小説になっているかという事。主人公(ロータス)の独白で一気に電流を流して死体をフランケンシュタインに変えるように、シミュレーションに血肉を通わせる際どいバクチな手法を採っているが、俺は成功と見る。
主人公(ロータス)の無茶な要求より、語り手(マペット)の何でも受け入れるキャパの方が規格外だった。主人公よりあんたの方がよっぽど変だぜ、と是非自覚させたい。代理母の人はかわいそうだった。
関連メモリンク  Hybrid No.9→under dogさん