ブクオフ

残念博士 (1) (角川コミックス・エース・エクストラ 29-1)
「残念博士」1巻 瀬野反人(古本)を読む。面白い。装丁は神宮司訓之(じんぐうじのりゆき)。

「雪女たるもの母のように、時には娼婦のように超やさしく熱を冷ましてくれるわよ」

塩と気圧の人の商業デビュー作。かのサイトで"博士と助手"漫画はオマケのようなものと思っていたので、これでデビューするとは思わなかった。裏表紙には『博士は美少女なのに、残念です』と編集者が考えたような説明文があるが、どちらかというと「凄い発明ができるのに残念なものしか作らない」ほうの意味かと。
四コマとショートストーリーが幾つか。
印象としては、ゆうきまさみを初めて見た時に近い。両者の描く漫画が似てるという訳ではなく「これも漫画なのか」と新しいものに出会った感じ。4大少年誌しか知らない頃、ゆうきまさみがラポートやみのり書房で描く漫画を見て、またサンデーでの短期集中連載を見て、わくわくするような新しさを感じて……と同時に「これで成り立っているのか」という一抹の不安も当時感じたものだ。
ネット発の漫画家というとkashmirを、このサイトでよく取り上げていたが「彼は ゆうきまさみと重ならない」んだよな。どちらかというと、もう固まっていて安定感/安心感の方を感じる。ゆうきまさみというよりとり・みき(「るんるんカンパニー」の頃の)を連想。片寄っているのだけど そういう人、というイメージ。
いつにも増して何を言ってるかわからないと思うが、重ねて言うと瀬野反人ゆうきまさみの漫画のジャンルとかテーマとか似ている訳ではない。「なにやら新しい気がする」「一抹の不安を感じる」という点だけが同じという個人の感想だ。
本書を読むお供に「佐藤さん家のねこまんま 関東風味」というスナック菓子を食べたのだが、大変調和が取れていた(自画自賛)。少なくともマカロンではないと思う。