「クローズアップ現代」

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=3171
アニメの聖地巡礼をクローズアップ。やるなNHK
まあ、『B級グルメ』なみの知名度を獲得して欲しいと思うわ。『萌えおこし』の語句発案者*1として悔しいのは、『聖地巡礼』の語句が"流通される言葉"として決定的に先行されたかも。NHKのお墨付き!! まあ、実際の現象が増えて現実化する事こそ何よりのご褒美なので特に文句は無い。言葉は現実を把握する為のツールで、現実への奉仕者であり、逆ではないのだから。*2
番組では『聖地巡礼』発祥を「らき☆すた」としていた。同意。今に繋がる流れとしては正しいと思う。「おねティ」を参考にして、「らき☆すた」の聖地巡礼が始まった訳ではない*3。この番組では「らき☆すた」の経済効果は10億円*4と数字を出していた。もう特需ではなくサステナブルと見たほうが……いやいや長いスパンで見れば、やっぱり特需なのかな。
北陸のアニメスタジオ P.A.WORKSが描く背景の多くは会社から1km以内にある建物を写しているとの事。多分「true tears」での話。「花咲くいろは」では架空の"ぼんぼり祭り"が、現実で"湯涌ぼんぼり祭り"としてトレースされ、5000人を集めたそうだ。
去年は地方を背景美術とした聖地巡礼系のアニメが深夜を賑やかした*5とクロ現は前提したが、その内実として『本数が多くなりすぎた深夜アニメは背景にさけるリソースが少なく、安易に現実の建物をトレースした結果、ファンが建物のある地域に巡礼するようになった』と仮説を提示している。アニメ製作側の証言もまじえて仮説を補強してるのだけど、どうなんだろ。アニメスタジオは多く東京にあり、手抜きを徹底するなら地方ではなく東京がトレースされるべき。背景を少しでも退屈にしない為、他とかぶらない為、特定の地方を選んだのだろう。それは1つの努力・工夫に思える。少なくとも実写ドラマがタレントのスケジュールを合わせる都合で常に東京もしくは東京周辺をロケ地に選ぶような芸の無さから考えると、少なくともアニメは視聴者の目を楽しませる努力をしているのでないか。
アニメ製作側の証言もまじえて仮説を補強しているのだが、それは日常系アニメが増えた理由であり、世界観を造り込む類いの非日常系アニメが減った理由として考えたほうが個人的にはしっくり来た。
最新のアニメ事情として「輪廻のラグランジェ」を紹介。地元の萌えおこし志向が強く、製作段階からアニメにクチバシを突っ込んでいるようだ………と既に批判的な表現をしたが根本的に逆だと感じておるのですよ。ロケ地地元のアニメの利用の仕方について、言い換えると萌えおこしの方法についてアニメ製作側がアニメ(つまりブランド商品ですよね)のイメージを損なわないよう駄目出しをする事はあっても、地元側がアニメの内容について製作段階から「ああしてくれ、こうしてくれ」と介入するなんて何か一般の視聴者を馬鹿にした話だなーと感じる訳です。提供スポンサーの企業だって、そこまではうるさくないかと*6。う〜ん、でもラグランは成功例になってしまいそうな気がして悩ましい。アニメとしてラグランは面白いし、聖地巡礼としてそこそこ集客しそうだ(個人的予想)。でも、何よりアニメの面白さを優先しなければいけないのに、ストーリーに介入するラグラン方式が良いとは思えないんですよね。
その他、特定班の人にも焦点が当たっていた。楽しそうで何より。
感想リンク 時雨沢恵一
関連リンク 萌えオタニュース速報さんまとめ

*1:とはいえ、最近はてなキーワード更新せず、語義を確定させるのはWikiの中の人に任せてる。発案者と名乗るのは おこがましくなってきた。

*2:そういや、『アニメツーリズム』って言葉もあったな。約 29,600 件。 

*3:「おねティ」に対して見方が厳しいのは単に俺がそのアニメを観てない所為だけかも。

*4:なんかメモ帳見ると"100万人"という数字が書いてあるけど何の数字だろコレ? 全国年間の聖地巡礼者かな。

*5:まあ、某所コメントでは『しかし、去年ヒットしたのは犬カレー空間だからなー』。

*6:まあ鴨川に聖地巡礼したら、"おらが丼"食べちゃうだろうな、あざとくとも。