宇宙へのパスポート―ロケット打ち上げ取材日記1999ー2001 
「宇宙へのパスポート」笹本祐一(図書館)を読む。面白い。読みにくいが。
ラノベ小説家のロケット打ち上げ観戦記。1999年日本H2、2000年スペースシャトル、2001年欧州アリアンV、2001年日本H2A、の4発。科学ライターの松浦晋也も補足コラムを数頁書いている。レポート漫画も数頁挿入。
とにかく読みづらくて時間がかかった。本人にしか価値のない旅メモを解読してるような感じ。米国スペースシャトルが1番長くメインがわからづらかったが、打上げよりイリノイ州デイトンの空軍博物館のくだりが読み物としてのメインだったようだ。メインイベントの骨格が掴めない旅行記は亀の遅さで読むしかない*1。あと表紙ひどいな。
興味深かったのは欧州宇宙機関(ESA)*2の接待攻勢。すぐパーティーを始める。商用として成功してる一端ではないだろうか。打上げ地は南米のギアナ(仏領)。
H2A初号機打上げでのNASDA(現JAXA)理事長、山之内秀一郎理事長の記者会見やりとり。
記者「今回も細かいトラブルによる打上げの延期がありましたが…」
理事長「許容範囲です」
記者「しかし、次回はこんな延期は許されないと思うのですが」
理事長「(次回でもこの程度は)許容範囲です」
このくらい毅然としてスケジュール重視から安全重視の方向を明言化するのは立派。スペースシャトル「チャレンジャー」も、打ち上げを行ってはいけない寒すぎるコンディションでの打ち上げを行い、爆発してしまった。(と、本書にある)
山之内理事長はJR出身。
本書は続刊が3巻まで出ているとの事。いずれ読む予定。
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*1:長い文章と章題無しの組み合わせが悪かったのだろうか。章題の代わりに日付け。

*2:接待してるのはESAではなく、アリアンスペース社なのかな。