NHK「クローズアップ現代」生物資源をめぐる南北問題

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2916
以前にカビ先生の本を読んでて良かった()。「生物多様性条約にアメリカは加入してない」という番組外の情報も踏まえて視聴。
「自然豊かな途上国へ行って、医薬や食品、洗剤の元となる菌などを持ち帰って儲ける事は或る種の略奪ではないだろうか」という考えが生物多様性条約の元。途上国は更なる見返りを求めて対立している、というのが今回の番組。
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ウィルスは発見したらWHOに無償提出し、WHOから各研究機関に配布し、新薬をつくる流れだった。のだが、鳥インフルエンザの多発地帯であるインドネシアが突然「ウィルスも生物資源である」と宣言して、条件の改善が認められないなら鳥インフルエンザウィルス提供しない旨通告して現在に至っている。「ウィルスを提供しても薬が高くて買えない。提供するだけ損だ」という理屈である。新種の鳥インフルエンザウィルスはインドネシア以外に飛び火してからでないと研究できないという危険な状態が続いてる。
これはゲーム理論でいう「合理的な豚」状態なのではないかな。劣ったプレイヤーの最適戦略は1つしかなく、劣ったプレイヤーに合わせるしかないという状態。鳥で豚。
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あと、日本の国っぽい組織(独立行政なんとか)が現地*1と協力して、施設や研究者をセットで現地育成しながら生物資源(菌など)を共同採集してたのだが、その契約を更新して貰えなかった話が興味深かった。何千もの菌を採集したのだけど、その菌が莫大な利益をもたらすかどうかは研究しだいだ。すぐ換金される訳ではない。
現地は日本でなく、アメリカを選んだ。アメリカは将来の利益を見越して、即金を払う戦略でとっていたので現地のニーズに合っていたのだ。日本が作った施設を「いい研究施設ですねー」とぬけぬけと米研究者に言われていたのが笑った。横取り40万*2
ネットアンケリンク ウィルスは生物資源? - Potora

*1:多分インドネシア

*2:柳生博のハンターチャンスより