紫色のクオリア (電撃文庫) 
紫色のクオリアうえお久光(図書館)を読む。面白い。
中学生SF。手法としてはエスカレートSFか。
1章目の話のまとまり具合が一番好きかな。2章目は話がジャンプしすぎて正直ついていけない。最後ちゃんと収斂させたのは偉いけど。
連想したのは「孟子」の

易牙は まず我が口の嗜む所を得た者なり。もし口の味におけるや、その性人と異なる*1こと犬馬の我と同じくせざるごとくならしめば、すなわち天下何ぞ嗜むこと、皆 易牙の味におけるに従わんや。味に至りては天下易牙に期す。これ天下の口 あい似たればなり。

の箇所。易牙という伝説の料理人が評価されるのは皆の味覚が似てるからさ。易牙と他人との味覚の違いが人間と犬馬ほど違ってたら易牙の味つけをありがたがらないよね、という。
ラスト、諦めてる風にもとれるけど、最大の破滅ポイントは3年生進級後半年なので、そこを重点的に守れば まだやりようがある気もする。
表紙は良い*2として、なんかイラストがアレだ。特にマナブの造形が(発行年の割に)古い。
感想リンク 副長日誌-私的記録さん 好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!さん
連想小説 「絶望系 閉じられた世界」

*1:原文は「殊なる」で「ことなる」と読ませてた。

*2:右目ってメカ?