ターンエーガンダム 

∀ガンダム」(テレビシリーズ)を今更ながら観る。面白かった。以下∀と略す。
監督:富野由悠季 音楽:菅野よう子 キャラデザ:安田朗
ヒゲガンダム。富野の製作順でいうと「ブレンパワード」(未見*1.)と「キングゲイナー」(以下キンゲ)の間の作品。キンゲもビデオで観て「面白い割には評価されてないなー」などと思ってたが、∀はキンゲより面白いな。まとまってる感はキンゲのほうがあるのだけど、視聴後のいい意味でのモヤモヤ感が残るよ∀は。
ストーリーは、神林長平が好んだ"月-地球の相克もの"。神林長平を好きな人は今からでも視聴すべき。あと富野なのに、何故か宮崎駿っぽいという牧場くささ。貴重だ。
シリーズで個人的に一番盛り上がったのは、キエル・ディアナのニアミスか。2人の再遭遇*2や共同作業(入刀)とか2人が揃うと妖しくて良い。29話35話の「2人で1人」「ディアナからディアナへ」も痺れる。この話はロランを主人公として*3観るのが普通だろうけど、キエルを主人公としても観る事ができると思う。
キャラの登場の仕方が素っ気無いのも痺れる。最初の段階では重要キャラなのか そうでないのかわからん。ジャーナリスティックな乾いた第3者的な視点なのかも。退場も素っ気無いし。
終盤は「ダンバイン」のようにキャラが各艦に分散して交戦。盛り上がるといえば盛り上がるけどわかりづらい。最後よくわからなかったが、ババ抜きみたいなもので「こいつだけは組めない」というカードを抜く話か。
音楽の使い方は変というか新しかった。今のDTB2期が近い。
さて、ラストの納得いかなさについて。この納得いかなさが良い作用で記憶に残る点について。
ロランとソシエのキスシーンは最初で最後のキスだと思って観た。そう思って観たほうが切実で胸を打たれ、ある意味やらしいな等とひとり決め。
しかし、ラスト結婚指輪してるのに寝室が別なのか。…というか「時々入れ替わってるんじゃないだろうな」と一瞬思ったが何となくロランが可哀想なので入れ替わってないと思う事にした。
ラスト、ヤコップとブルーノが人形劇してる隣で整備の姉さんがワタアメ作ってた。あの人、出番なかったなー。
ディアナが軍ではなく女王として直接に兵を従える場面が何度かあった。コレン・ナンダーやキャンサー*4等。広義ではロランもその1人か。王が規格外の"まつろわぬ民"を直接従えてしまうのは網野善彦が「異形の王権」(本)で言及してたっけ。天皇が悪党、神人、職人から河原者や商人などの武士制度から外れた者たちの王であったとか無かったとか。(記憶あいまい)
このアニメ作品を紀宮様*5は視聴してたのかな、という事も気になった。時系列だと
テレビ放映1999-2000年 小説(福井晴敏)2000年 映画公開2002年 紀宮様結婚2005年
の順。
あとグエンて中国の侵略からベトナムの独立を守ったグエン朝のグエンが名の由来だろうか。
ED「月の繭」(唄:奥井亜紀 作曲:菅野よう子)

は 「かんなぎ」EDの

「産巣日の時」(唄:戸松遥 作曲:神前暁)を連想した。
あと田中麗奈の「がんばっていきまっしょい」に挿入されてた

「オギヨディオラ」(唄:Lee-tzsche)も連想。
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↑6:11
連想小説 「桃太郎侍」
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*1:というか1話か2話で視聴を止めたような記憶がある

*2:意を同じくしたりするシーンとか。

*3:ロランが主人公ならソシエはヒロイン。

*4:月を崇めて踊るヒッピー姉さん

*5:ウェデングドレスは「カリオストロの城」のクラリス仕様だった趣味の良い人