東京アンダーワールド (角川文庫)
「東京アンダーワールドロバート・ホワイティング(図書館)を読む。面白い。
アメリカ視点の日本戦後史レポ。
六本木(東京)の飲食店「ニコラス」のオーナーだったニコラを中心に戦後日本の暗部を描く。雑誌の連載みたいな読み応え。「週刊大衆」とか「プレイボーイ」とか、その辺。
(31頁)占領してた連合軍は1ドル360円に通貨を固定していたが、厳しい外為法のためドルの需要が急増。闇で1ドルが480〜520円で売れた。
(51頁)当時、日本語と英語で盛んに流されたアメリカのラジオ局VOA(ボイスオブアメリカ)はアメリカ礼賛のブロバガンダ放送局。放送の内容が間違ってると投書すると、手紙はCIAに送られてブラックリストに名が乗り、尋問を余儀なくされる。
(52頁)「怒りの葡萄」などアメリカの現実を描いた映画は日本への輸出を禁じられた。
(150頁)客として飲んでいた力道山は飲食店(キャバレーか?)のステージに立ち、歌手のマイクを奪いとり、バンドに「マック・ザ・ナイフ」を演奏させ、
「この店には殺し屋がいまーす。見てください。こんな事されちゃいました」
と刺された腹を見せた。客は叫び、気絶し、逃げた。力道山は病院へ運ばれ、回復したが、予後が悪く死亡した。
(307頁)経済ヤクザ語る。「日本のビジネスマンの弱点は会社の為になんでもやる事だ。法律違反や刑務所行きも辞さない。動機は会社への忠誠心や干される事への恐怖だったりする。アメリカのビジネスマンは私利私欲の為に法律を侵すからシッポがつかみにくい」
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感想リンク Near Borderlineさん
ぐるなびリンク ニコラス六本木本店 
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