シン・マシン (SFシリーズ・Jコレクション)
「シン・マシン」坂本康宏(図書館)を読む。面白い。
SF。イラストは弐瓶勉坂本康宏は初めて読む。
冒頭の設定が、SFモノのラスト染みている。奇病に冒されたが為、人の意識が共有された世界。抵抗力があり罹病できない人たちは、情報格差デジタルデバイドに苦しむ。
この主人公だと町井登志夫の「今池電波聖ゴミマリア」みたいな感じかと初盤想像しながら読んだけど、アレほどキャラ優先の話ではなかった。結構早い段階で、同 棲 していた女性の話が開示されるけど早すぎる、非モテとして主人公に感情移入できない、と思った。「俺は何もない」という説明の途中で挿入するエピソードではない。その開示は"……似てる!?"以降で良いと思う。
途中から話がパターン反復になるのは少し中だるみ。バトルものとしては面白くないかと。
"7人で舞台を廻す"のくだりは面白かった*1。言語センスも光ってて楽しい。
冒頭の設定の方が好きだ。終盤は命題に対して真摯に作家として書いてるのか疑問。大きすぎる問題に対し、聞いた事のある御託を並べて良しとした印象。
なお、33頁の「人生とは寝台を変えたがってる病人うんぬん」はボードレール(仏詩人)。
感想リンク 好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!さん ハダカの王様ランド亡命王朝さん

*1:カニとか実元とか惜しい