極めてMMR 

使い捨てカイロは常温核融合によって発熱する?
(NATROMの日記さんより)
まず、元の第168回国会 災害対策特別委員会 第3号風間直樹参議員(民主党)の部分をざっと読んでみた。
間議員が「核融合」と発言してるが「これはホッカイロと同じ」と説明してるのだから「化学反応」の誤植だろう、その場で誰も突っ込んでないし、と読んだ瞬間思った。或いは国会での初質問だそうだから言い間違えで本当は「化学反応」と言いたかったのだろう、と。(後述するが、この推理は間違い)
そんな事より、風間議員が
「地中に水ないしCO2を注入したときに地震が起きる可能性があり、今回の地震は政府の資金援助を受けた注入実験*1が引き金になった可能性がある*2のでは?」(大意)
と質問し、政府関係者が
「因果関係がこういう現象面を通して必ずしも否定できない」*3
「安全性に十分配慮しながら、この実証実験を続けたい」
と答えてる。話噛み合ってるのな。
俺の知らない先端技術があり、予想外の結果として地震を引き起こすかもしれないという話は興味をひいたので、いろいろ調べてみた。なお新潟の地震については注水は無関係という意見が多い。*4
「地震だ、逃げろ」無許可の人工地震実験に住民パニック!―台湾(Record China) - Yahoo!ニュース
750kgのダイナマイトを地下100m付近で爆発させ、マグニチュード3レベルの揺れを引き起こす。2008年3月7日、台湾の中央大学。無許可。
地下の爆発によって地震を人工的に造る事は可能っぽい。成程。では風間議員が国会で発言した「地下の爆発」は、どこから持ってきた理論なのか。ぐぐり、リンクをたどったら*5、スティーブン・ジョーンズ(アメリカ人)・山本寛の2人の名前が出てきた。どうやら、風間議員は本当に「核融合」が原因かもしれないと考えているらしい。見誤った。
Re: スティーブン・ジョーンズは、WTCを核倒壊させる技術に最も近い科学者である。
(richardkoshimizu's blogさんより)
水素エネルギー研究の第一人者、山本寛氏のゲスト参加が決定!
(独立党のブログさんより)
で、実際 その"地下核融合説"は認められているのかというと↓
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/qa/iken/iken-q88.htm
上記の通り、内閣府原子力委員会のサイトの中でピンポイントで否定されている。
まあ、山本寛の著書『(仮説)巨大地震は水素核融合で起きる!』の図

を見ると「核融合」というよりは本当に「使い捨てカイロ」っぽい感じ。鉄の酸化熱か。この図の現象が実際に起こるのかどうかは俺にはわからないけど、「核融合」でなく素直に「化学反応」って言えば良いのに。
ティーブン・ジョーンズのリンク先で書かれている「高圧核融合」については詳細不明なので言及不能。詳細がわかっても理解不能の可能性高いけど。
参考核融合リンク UCLAで常温核融合成功、ただし発生エネルギーは少量 | WIRED VISION (05/4)
/
間議員に向かって「いくら何でも核融合は無いわ」と常識的な意見を言う人はいなかったのだろうか。
政治家と学者(助言者)の関係とか考えてしまった。いろいろ。
今「経済論戦の読み方」という本を読んでいるのだが、政治的な利害や政策の実現性にとらわれ、時局に迎合した学者が経済学の信用を落とすとの事。純粋な専門的意見を求める為の学者ではなく、政治家の意向を強化する形で学者を利用する。そういう風に学問を使う事もあるだろう。
また安倍前首相の辞任会見では「米軍への海上給油を中断する事はどうあっても許されない」ような事を言っていたと思う*6。実際は「給油の中断」が劇的な変化をもたらす事はなかった。安倍前首相の頭の中で「給油の中断」から、どんなシナリオがドミノ倒しで描かれたのか? またそのシナリオはどの助言者の情報から作られていってしまったのか?
結局は学者を使う側の問題というか、袋小路に入り込むように「一つの意見」に入ってしまうというのは、割合ありがちかも。学者は間違った考えすら補強してしまうのだから。

*1:石油の取り出しを容易にしたり、あるいは天然ガスの取り出しを容易にする。/ CO2というものを安全に地中に隔離することによってこの地球温暖化問題に対応。

*2:原因と決め付けてる訳ではない。

*3:「否定できない」は肯定した訳ではない

*4:というか「関係ある」と断言した説は見た事がない

*5:最初、リンク先を見なかったので山本寛にたどりつかず、スティーブン・ジョーンズが風間議員の発言の元だと思ってエントリまとめようとしてたorz

*6:リアルタイムにテレビで聞いた記憶によると