蹴りたい背中
蹴りたい背中綿矢りさ(図書館)を読む。面白い。
変に思考しないで「妙な小説だったなー」と、妙を妙なままで保持したいかんじ。グラスに氷だけ入れて転がしたいかんじ、無理に溶かさず。
スクールカースト(教室内地位)の話。前作「インストール」では、教室を飛び出していたが、本作では不自由に這う。
少女が はぐれてちょっと変なモノ・気持ち悪いモノに近づく構図は一緒か。
「蹴りたい」のは愛情じゃなく単純に苛めたい感情に近いと思った。
主人公を作者(「スチール美人とか言うなー」*1.)に投影して、オタクが愛でられてる気分を味わえるとかがヒットの秘密か。というか支持層はオタクじゃないか。
あと最初のシーンは語り出しとして巧い。特筆。
感想リンク 鉄風鋭くなってさん 3Pダイアリーさん 仲俣暁生
連想書籍 isbn:4061824139

*1:SPIKE」11号「綿矢りさ原理主義」より