ロフトプラスワン(新宿)の岡田斗司夫(オタキング)のイベントに行った。
イベント名「編集の鉄人」
編集者が企画を用意し、岡田斗司夫に本を書かせるバトル。
イーグルパブリッシング、三才ブックス、T社(企業規模は右の方が より大きい)の3社で観客と岡田斗司夫にプレゼン。
18:50 開始だと思う。俺が入ったのがこのへん。観客30名ほど。男女比8:2ほど。チャージ1000円。飲食別。
「イベント用ではなく、編集会議を通すか営業に話すかというレベルの企画で」との事。
19:00 イーグルパブリッシング登場。小さい出版社らしい。社長と若手が出て1企画ずつ。
まず若手の企画は
ルネッサンス」もの
岡田斗司夫ルネッサンス時代の偉人のイタコとなって貰い、「この人は本当はこんな事がやりたかったんじゃないの」と妄想たくましく代弁する。
またルネッサンスは文化の勃興なので、オタク文化に置換して読み解く。
岡田斗司夫ルネッサンスに全然詳しくなく「わかりました。(書く事になれば)勉強します」との事。岡田斗司夫の「なんでルネッサンスは終わったの?*1」周囲に訊いてたが、子供のエジソンが発する疑問みたいで不意をつかれた。
250頁で1500円予定。こういう具体的な数字を各社が出してて面白かった。部数は各社、数千から数万まで提示してた。この数字は各社秘伝のレシピのようなもので基本的に部外秘との事。岡田斗司夫基礎票というかコアなファンは本人によると数千だそうだ。
社長の企画は
「理想のアキバビルをつくろう」もの
全フロア岡田斗司夫の趣味でコンセプトを煮詰め、秋葉原のビルを占拠する架空実録もの。趣味といっても採算も考える。今あるアキバのビジネスの改善点は何かって話か。
岡田斗司夫が即興で思いついたのは、
「白い墓石のようなビルを建て、『オタク』と墓碑銘を刻みますね。中は天国なんです」ですと。
あと、こういうのは許可とれるか実際にやってみようとか、販促イベントは何をやろうとか。
印税についても具体的な話が交わされ、本の制作費(イラストなど)は印税から出すのか出さないのかとトークしてた。
「本の制作費を抑えるために大阪芸大の人たちをタダ同然で描かせよう」と、それは嬉しそうに岡田斗司夫
19:30 三才ブックス登場。「もえたん」の編集者。ギラギラしてたなあ。
その企画は
王立科学博物館」をもう一回やろうというもの
王立科学博物館」とは宇宙をテーマにした海洋堂のフィギュアシリーズ。岡田斗司夫企画。
フィギュアと一緒に解説書が折り畳んで入ってるらしく、それを「本」、フィギュアを「本のおまけ」とみなした三才ブックスの提案。
ありか、それ。
王立科学博物館」は100万超の出荷数らしく、三才ブックスの新企画は数万の出荷予定。「王立博物館」に入りきらなかった企画もあり、海洋堂のOKが出れば即実行可能との事。
入りきらなかった企画は「V2ロケット」「スペースシャトル」「宇宙ステーション(たしか各国共同のやつ)」など。
興味なく聞いてたのだが「おお、それは欲しいかも」と思った。2800円でなければ。
冊子について、編集者は「書き換えは嫌だ。書き足しにして欲しい」とファン心理を表していた。
20:00 T社(社名をネットに書かないのを希望)登場。上司はこのイベントに出るのを黙認との事。
その企画は
オタク論もの
岡田斗司夫の最近の講演した「オタク・イズ・デッド」という論が注目されてるらしい。
(俺は知らなかったし、オタクが死んだと思わないが)
編集者いわく20%のルサンチマンと60%の分析と20%の(涙の)エールで書籍化したいとの事。
「夏コミで同人誌版出すけど大丈夫?」「OKです。それはテスト版として見ます」とやり取り。
三才ブックスと同じく、この企画もイチからの岡田斗司夫の仕事はなく、厳しいT社内での審査(営業が本社規定に達するか判断するんだっけか。ジャンルごとに何部以下は刷らないと決めているらしい)が通れば、比較的容易に出版可能。
20:40休憩 ロフトプラスワンの水は危険を感じるほど不味かった。
21:00 全員で感想戦。観客の投票は(一人が複数投票あり)
オタク・イズ・デッド 20票
ルネッサンス 10票
オタクビル 9票
王立科学博物館 7票。
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鉄人の選考方法が話し合われた。
岡田斗司夫が「最速の2刷り」を考えていたとの事。
アカデミー賞みたいに部門ごとに分けようことになり、部門を皆で考える。
他に「部数」「売上」「出版社の得る粗利」「岡田斗司夫が得る印税」「ネット検索数(googleではなくヤフーby岡田)」「amazonmixiの書評数」「読書葉書リターン数」など挙がる。三才ブックスさんは
「読書葉書リターン数やるなら、抽選でプレゼントつけます」
と編集魂を見せた。
また
「鉄人になるとどう報われるかによって自腹を切るか決めます。金が有効な部門もあるので」という三才ブックスさんの発言から
正賞 トロフィー(岡田斗司夫自腹)
副賞 10万円
が、その場でキマリマシタ。10万円の生々しさがおかしくておかしくて笑った。それもライブ感か。
このイベントは月刊誌「創」で記事になるとの事
http://www.tsukuru.co.jp/gekkan/saisin.html
その他補足
POP(店内販促広告)の資格を一番持っているのは薬局の (岡田)
フィギュアは10万個から(採算的に)楽になる(岡田)
編集がライターに持ち込む企画は作家がやりたい事を聞きだす為の呼び水(三才ブックス)
マインドマップという言葉を知る。
関連ルポリンク
お客:kasindouの日記さん 電源を入れてくださいさん こんな本を読みましたよ。さん

*1:なんでルネッサンスは終わったの?=岡田はオタク・イズ・デッドが頭にあったのかも