知り合いの女の子に「ホームレスにパンをあげるから付き合って」と言われた。
その娘はホームレス支援ボランティア(http://www.jca.apc.org/nojukusha/nojiren/)にも参加するキリスト教っ娘で、パン屋とコネがあるかなんかでパンを大量に手に入れたとのこと。横にいるだけで良いのだな、と俺は思い、大宮駅に向かう。
ボランティア団体の支部活動というより、全く個人の判断で動いてパンを配っているらしい。豪快な女の子だなあ、と思いながら適当にホームレスと話し込む。彼女は既にパンを何回も配っており、大宮駅のホームレスの間では認知度が結構高まっているらしい。
ホームレスの身の上話など聞き話し込んでいたが、ホームレスの人が煙草を取り出し、隣に座っていたカップルから火を借りようとした。カップルは忌避し、無言で立ち去る。立ち去った後、唐突にホームレスの人が怒り出し、驚いた事に内ポケットから包丁を取り出そうとした。(おしまい)
現実味無い話ですが全部実話です。










(エピローグ)
慌てて止めたが、ホームレスの人が怒ったのは「無視」に対してだと思う。
大宮を怖い街と思ってもらうと困る。珍しいくらい当時の大宮はホームレスと一般人の距離が短い街だった。実際の距離としてホームレスと一般人が近くに座っていたし、路上シンガーとホームレスが仲良くなったり、初詣に行く途中で道端で若者とホームレスが酒盛りをしてるのを見たことがある。
ある時期を境にホームレスはどうも駅から追い出されたようで、上記のパンを配る話も数年前の話だ。

関連リンク 
東京ホームレス