トリアングル
「トリアングル」俵万智 (図書館)を読む。面白い(限定条件つき)。
短歌を所々に挟む小説。初出は読売新聞夕刊。
カジュアルな会話と丁寧ともいえる地の文との調子が合わなくてリズムが悪い。読みづらい文体。読みやすいな、と思ったら考察が続く文章で、要するにその部分はコラムだった。
短歌は文体の転調としての効果はあげているが、意味的には重複しているので短歌自体は屹立して輝いてはいない。小説部分を全部抜き取れば味わい深くなるとは思うが。

立ちどまりしゃがんでみようたんぽぽが世界を見ている高さになって

(↑もちろん俵万智作)これは好きだし、効果をあげていたと思う。

焼き肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのお父さんが好き

(↑もちろん俵万智作)この歌は前から知っていたけど、この小説で出てきた時「そういうシチュか。これモデルは いるのか。いるとしたらこの小説出して大丈夫か」とリアルと絡めたこの小説の面白さがやっとわかった。竹本健治なんか目じゃないな。(現実と絡めないと別に面白い小説ではない)
小説の後半、ヒロインは結婚はしないが子供は欲しい心情になっていく所で終わるのだが、現実として俵万智がシングルマザーになっている事は既に知っている。だとすると続編があるってことか?
ところでセックスは息を止めてるのではなく、深くたっぷり呼吸するのがオススメとの事。
あと俵万智ブコウスキー読むんだなあ。