ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)
ネコソギラジカル (上) 十三階段」西尾維新 (新刊)を読む。面白い(上巻だから暫定だけどね)。
上中下を全部出てから、とも思ったが皆と一緒にリアルタイムで追う事にした。
以下はマウス当てで。かつて「西尾維新のたたみかけ、上遠野浩平の場面転換、乙一のユーモア」と3人を評したが訂正します。「西尾維新の反復」に変える。ラノベに必須の「読み進ませる能力」だが、西尾維新の場合、作詩の能力にも近いと承前を読んで気付いた。どれだけの詩人が西尾維新を読んでるんだか。密室殺人が起きますが、本当に放置されます。西尾維新のミステリの深化は本当に素晴らしい。こういうの「十牛図」って言うんだっけ。萌えミステリポイントは三つ子すり替えかな。新キャラで立ってたのはドクター。「ブラックジャックによろしく」は泣き虫〜あたりが発想のもとか。ギャザリング(MTG)で例えると黒色で1ターン毎にグレイブヤード(敵味方問わず)から蘇らせそうな結構強力(1枚1500円くらい)なキャラだと思うのだけどな。新キャラが少ないので読み応えもいささか減っているが、人気シリーズを終わらせる心意気に較べればささいな問題。夢枕獏京極夏彦はきっとその壁を突破できず、物語に喰われて終わるのではないだろうか。物足りなさにひとつ加えるとすれば、「終りの始まり」というより前作「ヒトクイマジカル」のつづきという感が強くて、しかも前作のヒートアップをクールダウンしてる構成要素っぽいトコロだ。しかし、9月に刊行されるべき本ではあった。今更ながら何で延期だったんだろ。
次巻は過去の話メインか?
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