『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社ノベルス)
「『アリス・ミラー城』殺人事件」 北山猛邦 図書館 を読む。いい意味で悪夢。
ミステリかホラーか山田風太郎忍法帖ものか。
登場人物の考えている事を全て描写している訳ではないという究極の叙述トリック。または心理的結界を張られたか。
自己紹介時、筆記少女の描写がないのは最後のトリックの伏線か。
(50頁上段4〜5行目に描写があった)
動機と警察は犬に喰わせろ、というのが北山猛邦の作風ぽい。殺人の動機は話の主たるエモーション(感情の動き)に非ず。
ただお宝のアリス・ミラーに関しては不満。そんなゲシュタルト(全体図)で良いのかと思う。はっ、最後って1999年の9月のコトか。
恥ずかしながら>297頁の透かしは他のネット書評を読むまで気付かなかった。本当に北山猛邦は頭が良い。113頁の透かしも有意な方に100円。