Fate/Zero Vol.4 -煉獄の炎- (書籍)
Fate/Zero」4巻 虚淵玄 (新刊)を読む。面白かった。
18禁ゲームFate/stay night」の外伝ノベル。左記ゲームはプレイ済みです。
本書に18禁要素なし。
大宮アニメイトで購入。アニメショップ系でのみ販売中。
(読み進めるには要スクロール)
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ひでぇ
良い意味でも、そうでない意味においても非道いと言わざるを得ない。
このシリーズ読んで後悔したという事は全く無い。それは間違いないのだけど。
良い意味の酷さというのは"過酷な世界観"という意味での素晴らしさ。
まず、切嗣が久宇舞弥に立ち会えて、アイリスとそれっきりというのは驚愕の非道さかと。
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セイバーの扱いは掛け値無しで酷い。セイバーは主役というより道化の役回りでしかなかった。過酷だ。
Fate/Zero」のキャラ達は或る条件により、二分される。
日常的な用語に落とし込んで比喩すると、「"壺"を信じる人」と「"壺"を信じない人」だ。
金ピカは奇蹟を信じないが故の自由さがあり、だからサーバントの中では主役的特権を持ち得た。セイバーは囚われたが故に道化と化してしまった。
次(Fate/stay night)があると思って、思い切りセイバーを落下させたやり口は素晴らしい。
バーカーサーとの戦い辺りは、セイバーが少し男に思えて減点。イラストによる援護が常時無い辛さ。
切嗣との関係もFate/stay nightで語られている関係と実に齟齬がない。天才的な医者の縫合痕を見せられたようだ。
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全4巻読み終わって「Fate/Zero」としての独立した完成度というのが、こちらの期待値より下回っていた。少し残念。
Fate/Zero」の完成度の観点からすると、士郎の登場は とってつけたかのように見える。
また、何故切嗣が4次で燃え尽きてしまったのかの描写が弱い。その後の切嗣→言峰綺礼の監視、又は逆の監視が当然ある筈かと思うと違和感。この辺りの縫合は粗が見てとれる。
二次創作の悩ましさだ。
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ウェイバーが日本に居着くのも「何で?」感。「Fate/stay night」に再出場するなら問題ないけど、出ないのだから帰国してた方がスッキリするのだが…。
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Fate/Zero」の俺的ベストキャラは雁夜。この物語の教訓(笑)は
"奇蹟のツボを信じるな"
かとも思ったけど
"他人の家庭には口を出すな"
かと。強烈にこのコトを雁夜は教えてくれた。
が、実際雁夜が感じた魔術への反発自体は正しい。他人の家庭といえど常識*1を超えすぎていれば口を出したくなるだろう。
善に徹するならば、「雁夜は時臣を生かしたまま勝利し、聖杯を手に入れて桜を帰す」というミッションを遂行すべきだった。
悪に徹するならば、「雁夜は葵に気付かれぬまま時臣を殺し、全てを手に入れる」のミッション。聖杯関係なくなってくる気がするが、聖杯ないと生き延びられないか。
でも雁夜の迷走グダグダは、ありがちで他人の事を言えないorz 身につまされる。
4巻で雁夜が、いきなり"サーバントへの魔力供給を絶つ"事ができるようになってて驚いたが、きっと意地悪な蟲爺に教えてもらえず言峰綺礼に教えてもらったと脳内補完した。
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Fate/Zero」の俺的がっかりキャラは蟲爺。最後、拾われなかったのもあるけど、元々何をしたかったのか不明。真面目にやれば間桐で勝ちを拾えたんじゃないだろうか。
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Fate/Zero」中のベストバウトは切嗣vsエルメロイでした。
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さて、また「Fate/stay night」やるか。
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感想リンク 仏の顔も3℃までさん カオスの縁―無節操日記さん フラン☆Skin
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あとがき・解説で二次創作について語られている。

そもそも、せっかく書いたものをアニメやゲームにされていいのか。貴方は完成品としてソレを世に出したハズだ。それが違うメディアになるという意味をよく考えてほしい。単に"違うもの"になり、完成したカタチからどんどん損なわれていってる事に気付いてほしい。
虚淵玄

それは多くの"原作者"が漠然と思いながらも、どうしても膝を屈してしまう"拡がる事への喜び"だ。
奈須きのこ

で、本書での一応の結論が「商業的な二次展開は非だが、非商業的な二次展開は是」という事らしい。一般書店での扱いが無いのは、そういう訳か。何故か泣ける。
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*1:実は一番問題なのは雁夜の家の非常識だけど。