「プリティーリズム」3期 23話

アン回後編。
非常にエモーショナルな、お涙頂戴に堕しそうなギリギリの線を狙っているのかのような感動回ではあるが、まずは それぞれの記憶が食い違うという整合の話から。エモーションではなくミステリSF方面。
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1番オーソドックスな回答はワカナの記憶混濁だろう。高熱の所為で、自らの記憶を捏造していた。
実際に健康上の理由でショーを断念。
熱を出した覚えは無い→実際は熱を出した。本人が忘れていた。
ステージでプリズムショーをしているアンを見た→実際には見ていない。高熱でうなされている最中の夢。又は後でアンが踊った事を知り、記憶が合成された。(もしくは生霊が飛んでアンの舞台を見た)
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しかし、ワカナの記憶をそれほど全面否定して良いものだろうか。
記録はワカナの体調不良を残しているし、カズキは伝聞で体調不良を聞いた。が、それは本当にワカナが倒れた事実を保証しない。
ワカナ家はワカナにショーに出て欲しくなかったのなら、妨害電話も無い話ではない。
或いは、単に遅刻でショーに間に合いそうもなかったので、親が誤魔化しで「体調不良」と偽ったのかもしれない。
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1番異端な答。アンとワカナで異なる時間軸だった。
アンの過去ではワカナが体調不良だったし
ワカナの過去ではワカナが体調不良ではなかった。
どこかで何かが狂って、パラレルワールドの2人が現在同じ世界にいる説。
ナルが前回「宿題が終わらない」と言っていたのが伏線で、リンネの不思議パワーで数日遡るつもりが数年前に行ってしまい、歴史の改変に手を貸したのだが、本編では割愛されたしまったのだろう(白目)。
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しかし「どの事実が正しい」「誰が正しい」とは実は些細な事で、ワカナの怒りは正当と言って良い。
約束を破るのが許せないのは「自分が軽く扱われる」事が許せないのであって、小学生ワカナの存在を忘れていたアンは、ワカナからすれば糾弾して然るべきなのだ。写真を見せてすら記憶に上らないとは、ワカナから本当に不当に*1役を奪ったのでないか? 役を奪った罪悪感からワカナの存在自体を無かった風に記憶を改変したのではと勘繰るのも出来ないではない。
まあ、もこっちみたいな喋りをする地味子に一瞬でも役を奪われたのは記憶を封印するに値する。無意識に忘却できるのがリア充だ。
この回から考えると、以前プリズム引退を賭けて勝負したのは重い意味を持っていたのだけど、今ひとつ作品の凄さとしてわかりにくいな。
ワカナのプリズムライブの木琴(マリンバ?)のバチの伏線が、いつも舐めてるキャンディだったとか、今回前半のアンの熱の伏線とか、面白いし結構練られていると思うが、進撃と較べると伏線として軽めになっちゃうのかな。
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あと一瞬(=1ヶ月半)で転勤になるって、女性関係の不祥事を起こしたか、超いきあたりブラック企業なのか、こっちの謎も魅力的だ。(クラブに所属していたのが1ヶ月半だったのかもしれないが) あの写真の映りかたも よく考えれば謎。
感想リンク まんはったんさんまとめ 藤四郎のひつまぶしさん

*1:電話自体がアンの捏造。開演時間は嘘を教えた。