武雄市(佐賀)の図書館カードがCCC(ツタヤ)のTポイントカードに切り替わるらしい。市がCCCに図書館サービスを委託する話()。
偏差値3でもわかる!武雄市図書館問題(はてな匿名ダイアリ)
↑の解説が、かいつまんでいてわかりやすかった。
元ソースに近いのは↓。暇な人はどうぞ。
高木浩光@自宅の日記 - 武雄市長、会見で怒り露に「なんでこれが個人情報なんだ!」と吐き捨て
高木浩光@自宅の日記 - 「個人情報」定義の弊害、とうとう地方公共団体にまで
武雄市長物語 : 高木浩光先生、間違ってます
プライバシー侵害を懸念する際に「個人情報保護法」でいう個人情報でないから問題ないと主張する組織が相次いでいるのが問題 - 発声練習
.
「佐賀にもロボコップ的未来の到来かー」という第一印象だけど、個人情報の取り扱いに鈍感な個人の意見として「面白い企画なんじゃないだろうか」と考えている。他所で眺めるぶんには。
.
1番最初に気になったのはポイントが付くとか付かないとか。自分がユーザーになった気で「お得」などと反射で喜んだが、やっぱり要らないなコレ。ポイント稼ぎで本を借りられては堪らない。
もし、1冊1ポイントだったら"大量に借りて返すの繰り返し"の行動が促され、普通に借りる人が迷惑しそうだ。1日1ポイントしか獲得できないくらいが適当か*1。まあ結局CCCの販促なので、ポイントは無くても良い気がする。武雄市Pontaカード加盟店は何故、地方自治体がライバル相手を徹底的に支援するのか根拠を聞く権利くらいはあるかと。
.
CCCにとっての最大のメリットは市民に販促費なしでTポイントカードを配れる点だろう。利用者を一気に獲得できる。
市長は「図書館にもレコメンド機能があれば便利」みたいな事を語っているようだが、オーバーファンクションというか、そんなシステム作る金あったら、1冊でも多く本を買えよと脊髄反射で思ったけれど、コレは個人で色々と感触が異なるかも。夏の図書館は扇風機でも良いのではと一瞬思うほど戦中派な俺だ()。低コスト低サービスの小さい政府志向。
,
で、個人情報問題だけど「CCCにとって図書館の個人情報ってそんなに必要か」という疑問がある。CCCにとって最大のメリットはTポイントカードを市民に配布できる事だろう?……いや多分だけど。
図書館の利用者情報をリンクさせてビジネスするなんて、新分野でやりがいあるというか色々試してみたくなるのはわかる。予約待ちで順番が後の方の利用者にその本の購入をメールで薦めてみるとかか。もっと単純に、借りた本の購入を薦めると何%が反応するのだろうとかマーケッターなら誰でも興味持つのではないだろうか(推測)。
でも、そこまで個人情報を商売に換金すると、反発というか 民と官の区別はつけて欲しい旨の感情が自然と出てくる気がする。
最大のメリット、市民を自動でTポイントカード会員にしている事まで疑問を持たれる前に、個人情報での商売を自重した方が得策ではないだろうか。
商売にしないなら、個人情報など持たない方が身軽だ。CCCグループの図書館の人間だけで保持し、他の部署には情報を送らなければ良い。情報保全のコストとリスクを考えれば当然そうなる。必要最小限。
もしCCC本体に図書館利用者の情報を送りビジネスを展開したいのなら、その前にCCCに確認したい点が1点。
「CCCでは、その図書館利用者の情報を総体で幾らほどと考えていますか」
と。
市民の財産(情報)を企業に譲渡するのだから、当然きっちりと額を算定すべき。市は市民のために委託料金を安くする義務がある。
.
まあ、今後どうなるかはわからないけど
・個人の情報が流出した時の対応マニュアルを事前に綿密に作って欲しい
・図書館用のTポイントカードの規約は独自に作って欲しい*2
かな。守って欲しいのは。
図書館利用者情報で商売するのはCCCの為にも止めた方が良かろう、と思っているけど、商売を始めたところで致命的な被害は無いのではないかとも思っている。例えば、警察に無条件に貸し出し履歴が譲渡されて、本の傾向から思想が特定されて、冤罪で逮捕されたら致命的かなとは思うがCCCに逮捕権ないもんな*3。普通の企業なみに情報の取り扱いは信頼してる。
言及リンク 佐賀新聞
関連リンク 武雄市ホームページ(フェイスブック推奨)
連想リンク 考察しよう:なぜ「メッセサンオー」から1405名の個人情報が流出した?/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム

*1:土日はポイントつかないようにして利用者を分散させるとか。

*2:全国共通だったら無精すぎるイメージ

*3:まあ、でも武雄市の人がCCCに就職しようとして、読書の傾向や遅延状態とか参考にされたりして。