東日本大震災で終焉した日本の輸出立国|野口悠紀雄の「経済大転換論」|ダイヤモンド・オンライン
↑リンクしたけど同意見という訳ではない。特に↑読まなくてもOK。新聞記事リンクだとすぐ消えるので。
2011年は久しぶりに貿易赤字となりそうだ。経常収支は黒字なので"日本は稼げる国"自体は変わらず。
震災・タイ洪水の影響で工場が一時的にストップしたのが貿易赤字の原因で来年以降は黒字に戻るんじゃない? と最初思ったのだがデータを更に漁ると微妙だ。来年が赤なのか黒なのか断言できなくなった。
財務省の統計資料、「国際収支の推移」の "s-a-2 季節調整済国際収支推移(月次)"
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/bpnet.htm
のエクセルを開くと、意外に2011年の輸出は減額していない事がわかる。
2011年12月は速報値も出てないので1-11月で2011年と2010年を比較すると、輸出額は58兆円とほぼ同じだ*1。世界と日本が幸せな年だった2010年*2の輸出額と同じ。
では何が違うかというと輸入額が違う。月額でいうと2010年は4兆円台。2011年は5兆円台か。輸出額は前述のとおり、ほぼ変わらず。通常、輸出と輸入は歩調を揃えて増減する。何かが変化した事でこのドラスティックな結果、貿易赤字と転じた、とすると犯人は誰か。*3リンク先の野口悠紀雄教授の言うとおり、日本の電力事情が変わったので、必要な輸入分が増えた事が原因だろうか。
だとすると、新しい電力事情に日本は適応し、それなりに輸入を抑えて黒字体質に復帰できるのか?…という風に俺は考える。野口教授のように"新しい電力体制では黒字は無理"とは考えない。まあ可否は不明*4だが、無理と決め付けるのは早い。日本の適応能力こそ日本の黒字体質かと。
関連リンク 英エコノミスト誌

*1:2010年は582,306億円。2011年は575,086億円。

*2:但しインフレの英国は除く。ひどい年だった。

*3:繰り返すようだが、トータルの数字が重要であり、貿易収支が赤字でも経常収支が黒字なら問題はない。つまり「2010年は経常収支が黒字だし、2011年も経常収支は黒字だ」という情報に比べれば、貿易収支どうこうは無視しても構わない。

*4:原油価格がどうなるか読めないというのもある。