「輪るピングドラム」18話


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アクリル回。子供ブロイラー登場。
(以下ネタばれ)

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ああ そういう事か、と合点すること2点。ピクトグラム(記号)のようなモブ(群集)と、運命日記を捨てて逆にモモカになるリンゴ。

・解かれるのか記号化
透明な存在にする子供ブロイラー。子供はガラスのような破片となる。ガラスのような破片は新OPでも足されているようだ。そもそもOPで多用される「落ちる」という描写自体、不吉だったか。
記号化したモブは「何者にもなれなかった」「透明な存在」の象徴だとすると、ピングドラムを使用する事で、モブの記号化が解ける展開だろうか*1
・モモカの再生
今回、タイトルエンドが演出としてガッチリはまり、リンゴ=モモカ二重写しが明確となる。このブログでの14話感想で"ショウマが感じてる原罪は戦いの中でうやむやに解消されるのでは"と予想したけど見事外れた訳だ。モモカという中心不在の世界で 救われる展開を諦めていたのだが、"リンゴがモモカになる"という1クール目で視聴者から嘲笑と憐憫の目で生温かく見守られていた変化(へんげ)が今更きたか。まさかの羽化。
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ああ、そういう事では無かったのかもしれない、と疑うこと2点。モモカは完璧超人では無いかもしれないし、カンバはヒマリを最優先事項に置いてないかもしれない。
・モモカはつらいよ
今回のモモカの救出劇で思ったのは、15話でモモカが語った運命日記の説明は嘘なんじゃないか、と。

日記の力で運命を変えたのではなく、モモカ本人の力なのではないか。日記には何の力もない。

モカは日記の力の反作用で傷ついたのではなく、彼女が汗かいて救出する過程で得た傷ではないか。そしてモモカは救い手として不器用なんじゃないだろうか。今回も、いきなりピアノという地雷を話題に出し*2、その後のフォローも届きにくいものだった。稚拙ゆえの傷だし、地下鉄事故での死は救い手として稚拙ゆえの死だったのではと疑っている。
・Cause
そして定型的な泣かせのシーンとして今回カンバが頑張ったのだが*3、このパターンは既視感がある。ペンギン帽子追っかけ回ではなく、10話でカンバが病院の屋上へ行く回。さらわれたショウマとの取引条件に運命日記を要求されたカンバだが、結局持っていかなかった。今回も取引条件に応じることは可能だったのではないか?と俺は疑っている。*4
カンバの中で自分よりヒマリを上位に置いてるのは疑っていない。彼はヒマリより自分より上位に置いている何かがあるのではないだろうか。父親か、ある種の大義か。
大義(父親) > ヒマリ > 自分 の仮説。
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・タブキ

今回のゲスト主役であるタブキだが、実は本人自体はあまり描かれてない気がする。最後、どうやってヒマリを落下から防いだのか不明*5なのも、彼を曖昧にさせているが、本人ではなく周囲の反応から彼を描きだそうとしているようだ。

「今の僕は とても醜いだろう」に対する反応

「今ここにいるのは僕を内側から喰らいつくした1個のモンスターだ。」に対する反応*6

ユリの反応。
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関連MAD
あえて再貼り

↑1:20 旧OPでリンゴが炎に包まれてたっけ。モモカ化か。
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【MAD】ふぁくとおぶ、らいふうううううううう!! ‐ ニコニコ動画(原宿)

↑2:30 曲はFACTの「a fact of life」
外人MADのようなセンスだ

*1:まあ、キャプチャ絵のとおり、子供ブロイラーを通過する前に記号化してるので、厳密にいうとその展開は理屈に合わないのだが。ただビジュアル的にわかりやすくはある

*2:モカの方から切り出さなくても、タブキから「僕はピアノが駄目だから駄目」と18話を展開させるのは可能だったと思う。

*3:実はカンバがどう頑張ったのかイマイチ理解できてない。最後の綱が爆破されたら、カンバは引っ張られて足場をなくしているよねぇ。その後カンバは自分の体重を支える為に手を上に伸ばして掴まっている描写はあったけどソレだけ。爆破後、綱がキープされてたのはペンギンの不思議パワーなのでは。………………ペンギンが不思議パワーを発揮したから、そのぶんペンギンが重くなったという事かしら。

*4:もちろん、劇法上の示唆(符号)の話であり、やはりカンバの説明が正しい可能性もある。

*5:不思議パワーなのか、最初から仕掛けていたのか

*6:画像小さいと違いがわかりにくいな。