「魔法少女まどか☆マギカ」7話までの中間考査

エリア88以来の(契約について考えさせられる)大人気アニメについてシリーズ視点で考える。というか各話感想()でこぼれた部分を書きとめよう。
まず3話外人反応動画。英語の勉強をしたい人もどうぞ。

↑6:36 時間のない人は4:16-4:46の部分だけでも。
FightingforNipponさん(←リンク先いきなり音が出ます)はオーストラリアの18歳。3話レビュー動画の間ずっと眉が八の字で仕舞いには涙ぐんでしまうマミスト。なんという視聴者代表。
英語的には"さやか→サヤキ"の発音変化はすぐわかったが、"まどか→マドリカ"は しばらく気付かなかった。あと後半の頻出語gut-wrenchingもこの動画で覚えた。内臓のガッツと締め付けるという意味のスパナ・レンチのレンチね。heart-wrenchingは「心臓が締め付けられる」か。
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3話での主要キャラ死亡というのは、ポーカー初戦でハッタリをかます*1ような効果があり、今回なかなか有効だったと見てる。次々に人死にが出るような時計図や爆弾リレーAAが2ちゃんで人気だったが、実際には3話以降 人死には出ていない。とはいえ、緊張感は保ったままで、俺自身もまどかが餅のように伸びたりバラバラになったように見えた時アレ!?と恐怖したし、さやかが「死んでるじゃねーか」と言われた時は死亡を完全信じて右往左往した。gut-wrenching!!
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青の話をしよう。
7話視聴後、「魔まマ」の2ちゃんスレに行って見た。2ちゃんスレに行くのは「咲-Saki-」以来。あのスレも楽しくて速くて追ったっけ*2
キャラスレの本数を見ると1位は断トツのマミで2位は意外のさやかだ(本スレが350スレの時、マミスレは34・さやか13・ほむら8・杏子7・まどか5の順。)*3。さやかは人気が出てもおかしくない。レールガンで言えば佐天さんポジション、咲で言えば池田ポジションなのだから。能力的に劣るゆえ、決定的に主役になれない。前面に押し出されるとしたら、主役が力を発揮するまでの前フリの時間帯に限定される。本作「魔まマ」の現在のさやかの活躍もシリーズ終了後に俯瞰してみたら、主役のまどかが変身する前の『前座の輝き』でしかないのかもしれないが、既に4話から7話まで実質さやかが主役といって良いだろう。佐天さん・池田も名脇役として輝いていたと思うが、さやかほど強いスポットライトは当たらなかった*4。契約決断のドラマ、契約後の挫折と乗り越え、そして破綻の前兆←今ココという7話なのだ。
"劣るキャラ"がここまで主役を張ったことは無い という意味で実験的だし、佐天さん・池田の人気を考えると待望されていた展開でもある。
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7話感想に追記すべきかと思ったのだが、さやか関連でココに書いておこう。
7話に関し、周囲と捉え方が違うような気がする。別に7話で杏子が善になった訳でもないし、7話最後さやかが悪に落ちた訳でもない。
杏子にかわいそうな過去があろうがなかろうが、杏子の行動の善悪判定は変わらない。マミ-さやかの視点からすれば自分が選択できる魔法少女スタイルではないだろう。ある行為、例えば殺人を悪と判断するなら、行為者が痛ましい人生だったとしても、だからといって殺人行為が悪から善に変わる訳ではない*5。なにやら「過去が悲惨だから杏子は良い子」という風潮がある気がする。大丈夫か日本の裁判員制度。まあ、善悪はともかく「彼女の行動原理を理解できる」ならわからないでもないが、良い子ではないだろう。それは先のストーリーを読みすぎだ。
同じく7話最後もさやかが悪に落ちた訳ではなく、逆。あの時点では『正義になりすぎた』と捉えて欲しい*6。正義を実現する為に自分が消えた、と。 まあ、哄笑がセットで付いてたからとうとう狂戦士化したと傍から見えてしまうのかもしれない。ちょっと前に彼と付き合う付き合わないと人並みな事を悩んでいたら、そんな事を悩んでいたのがおこがましいほど化け物になってしまい大笑い、というだけで属性が善から悪に変わった訳ではなく、ステータス異常が"起こった事の説明"に近い。こちらも先のストーリーを読みすぎだ*7。まあ、ネット界隈で見るさやかへの反応は「追求しすぎた正義への大衆の排斥感情*8」と考えると、虚淵玄がニヤニヤ笑ってるのが幻視できる。
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シャフトにとって「魔まマ」が「化物語」の再構成なのではないか、という推察は以前書いた。

さて、「魔法少女まどか☆マギカ」はシリーズを通すと『願いと代償』を描こうとしているのではないかと予想する。つまり、それは「化物語」で繰り返されたモチーフだ。勿論偶然ではなく意図的であろう。
シャフトは「化物語」をアニメ化し、商業的に成功した。その成功は何だったのかをシャフトなりに分析した結果が「魔法少女まどか☆マギカ」なのではないかと俺は妄想している。「化物語」原作の西尾維新が血塗れの魔法少女モノを書いているのも偶然ではないだろう*9
ただ今のところ「化物語」にあった救いが「魔法少女まどか☆マギカ」には無い。観終っての気持ち良さが無い。音的に言うなら神谷浩史の"声の抜け"の気持ち良さが無い。
ひたすら不安で不穏な「魔法少女まどか☆マギカ」が話題的には成功してもセールス的に成功できるものか注目したい。

と同時に脚本の虚淵玄にとって「Fate/Zero」の再構成ではないだろうか。この2つの再構成への思い、言い換えればリベンジの思いが奇跡的に噛みあってるから「魔まマ」が面白いのではないだろうか。何が奇跡的かというと「Fate/Zero」も『願いと代償』の話だから。
7話感想で書き漏らしたけど、さやか-セイバー 杏子-ランサー マミ-アーチャー ほむら-キャスターだとすると、まどかの戦闘スタイルはライダーなんだろうか。まどかは弓を持つって噂あるけど。
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ちなみに放映前の予想では、そんなに期待されてなかったんだなー、というのがココの下コメ見るとわかる。
もうある程度のヒットは約束されているように思う。まずは「Angel Beats!」超えるかどうかに注目してる。売上げ的な意味で。
そしてDTB2期のように最終回で失速しないのを祈るのみだ。(考査本編終了)
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OP()のこの構図って、あっーぷっぷっぷぇぷぇ(0゚=ω=.)と一緒か。ずっと記憶をカリカリ刺激してて痒かった。
EDドイツver

ED最初のSE、つまりイヌカレー空間開幕の合図って、「はれぶた」のSEに似てる気が。
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反響。
秋葉原がQBに侵略されてる模様()。10分床屋が正にQBだけど、秋葉原で『契約』といえばエウリアン()だよな。まだいんのか。
その他反響()。
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感想リンク 過ぎ去ろうとしない過去さん はてな匿名ダイアリーさん
連想小説 冲方丁シュピーゲル」シリーズ*10
関連リンク 『魔法少女まどかマギカ』で株トレードを推めるQBを演じてみる。
聖地巡礼まとめリンク 舞台探訪アーカイブさん
pixiv絵リンク けーひろさん ラフメイカーさん あるみさん ろくろーぶなさん 転丸さん ( ゚Å゚)のえさん when_sirさん よしをさん ちびドラさん 若@ツイッター始めたさん サキコさん もももさん ヘモ助@ブログはじめたんさん ねことうふさん さなりさん  もの。さん

*1:ブタなのにレイズ。

*2:ステルスモモあたりから「凄いアニメだ」認識して、ブログに感想書き出した。後から観てシリーズ通したベストは開眼する回だな。

*3:これがpixvとなると、巴マミ 3708件 鹿目まどか 2394件 暁美ほむら 1677件 美樹さやか 1269件 佐倉杏子 967件の順。しかしさすが魔法少女もの、健全な絵が多い。1時期pixvというと下手なエロ絵が悪目立ちしてた。

*4:これは異論あるかもしれない。佐天さん・池田も3話くらいは実質主役だったかもしれない。ただ、それは2クールの中での3話で、さやかの1クールの中の3話(現時点で言えば7話中の3話とは比重が違う。

*5:情状酌量という点で減刑はされるかもしれない。が、賞賛されはしない。

*6:まあ、好きに作品を捉えれば良いのだけど。

*7:勿論、視聴者が先のストーリーを知っている訳ではないが、今まで観てきた物語の中から有り得そうな先のストーリーを勝手に既定化してしまう。

*8:悪とまでみなしてしまう

*9:新本格魔法少女りすか」参照。ただ小説のテーマは『願いと代償』というより『成長と相克』なのではないかと予想。

*10:あたしは気付いたんだ。世界を救いたいってことは世界と等しくなりたいってことだって。