鳩山首相を振り返る
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まず、辞任するとは思わなかった。AFN(米軍ラジオ)では、理由を"参院選挙のプレッシャー"としてたが、そもそも参院を眼中に入れないで4年続けるかと思っていた。次の衆院選まで。
支持率が下がれば政権交代する、30%あたりが目安というのは自民党独裁時代のシステムかと。政権が自民党の中で順送りされていた時代には、選挙というイベントでは代替わりは発生しえない。では何処で民意を反映させるのかというと支持率だった。選挙で過半を割れば自動で政権から放り出されるのが民主主義だが、自民党は20世紀中メキシコ*1と共に異様な長期政権を誇っていたので、"辞めるタイミング"を測るのに支持率を目安とする擬似民主主義を採っていたと踏んでいる。
去年からおおまか2大政党制となり、選挙によって今までの政権運営を採点され、延長かチェンジか選択できるようになったのだから支持率を気にするのは旧システムいわば旧弊を引きずる愚だなー、と。
で、参院て別に無視しても構わないよね、という参院不要論な俺だ。衆院が参院に優越してないのは日銀総裁を決める時くらいなもので*2、『参院なんて飾り』という事は偉い人にはわかってるのかと思ってた。
"参院での審議未了→廃案"て裏技も衆院2/3の議席があれば無効の様子。関連リンク 大脇道場さん ある日ぼくがいた場所さん
支持率でもなく参院選でもなく衆院で2/3を保つ事が民主党政権の権力の源泉だった。社民党が離脱して与党3党の枠組みが崩壊し、権力の磐石さにヒビが入ったのは確かで転回点には違いないけど、政権交代する程のことではない。だから参院選を重視しすぎだと。
以下、個別政策。
(書いててココで筆が止まって1週間以上放置した。書くなという啓示かもしれないが書いてしまおう)
個別政策もなにも検証に耐え得るほど政権が保たなかったので、さわりを見て結末まで批評するような盲象な案配だがパラパラと散発的に書く。
・米軍基地移転問題
国外移転・県外移転などできないのだから口に出すべきではない、という意見をよくみかける。お前はラプラスの悪魔*3かと突っ込みたくなる。
沖縄県外の国内移転先は募ってみなければ有るか無いかわからないのに、無いとわかってから「あるわけがない」と したり顔で言う人の多いこと多いこと*4。「できないのだから言うべきではない」問題ではなく、「言わなければ成功確率が上がらない」問題だと思うのだが*5。 沖縄以外の国内移転先を鉦や太鼓で探し回らず移転先を決めた自民党政権を評価する向きがあるのが驚きだ。
"沖縄の負担軽減"という方向性は正しい。では何が間違っていたのかと言うと参院選前に成果を出そうとした期限が良くなかった。"いつまで米政府(又は国内候補予定地)との交渉を粘るのか"という期限について沖縄(社民党)と鳩山政権は合意があるべきだった。「ずっと交渉して良い」という合意があるなら粘り強く交渉すれば良いし、何月までと期限を区切れば失敗した場合でも社民党の政権離脱は無かったのではないだろうか。
参院選を重視しすぎ。
・子供手当*6
以前書いた通り、方向性は正しいと思う。
ただ、海外にいる子供をカウントして給付するのは反対。
厚労省サイトを見ると子供手当の趣旨は「次代を担う子ども」を育てる為とのこと。素直に読めば日本の次代を担う子供だろうから、海外にいる子供に給付するのは政策の趣旨に反する。「平成２３年度以降は日本国内居住要件を検討」との事だが来年検討できる事が何故今できないのか首をかしげる。
給付しないのは外国人差別だという意見もあるが、子供が国内にいれば外国人でも支給され、子供が外国にいれば日本人でも支給されないのなら国籍による差別ではない。
子供手当とは趣旨が違う現行の"児童手当"が国外にいる子供をカウントしていて、それが問題なかったのだから制度を継承しようという安易なサボリではないかと疑っている。
このサボリによって1番直接的なダメージを受けるのは日本で普通に暮らしている外国人ではないだろうか。子供手当が元で排斥運動など起ったら目もあてられない。
コレも参院選を重視しすぎの拙速かと。
・高校無償化
事実上の義務教育となってるんで、無償化は良い方向かな。よくわからんけど。
朝鮮学校除外は賛成。「金を出すなら口を出す。金を出さないなら口を出さない」のロジックだけど、そもそも体罰横行してて、日本社会では通用しない常識を教える学校に入れるのは児童虐待にあたらないのだろうか。
とはいえ、日本の教育が多文化主義を採用してない現状、大和の民族教育を押し付けられるという面もあるか。
関連リンク 小田嶋隆*7 webdogさん 誤訳御免！！さん
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