テレビ21時枠映画

ゲド戦記 [DVD]
ゲド戦記」を観る。面白かった。
監督:宮崎吾朗 原作:アーシュラ・K・ル=グウィン
声優:岡田准一 菅原文太 手嶌葵 田中裕子
さんざ酷評された事は知ってるのだが、面白いんじゃないのかコレ。
原作は読んだが中身忘れた。確か内省的なファンタジーで映画になりにくそうだった印象。ハイタカ(菅原文太)がゲドという事も事前情報で知っている。
と、いう訳で あまり惑わされなかったというのもあるかもしれないが、素直にダーク・ファンタジーとして楽しめた。
宮崎吾朗は、日本で唯一無二のダーク・ファンタジーを描く能力のある人じゃなかろうか。*1 誉めすぎだろうか。
アレン(岡田准一)が驢馬のように自分が無く、ハイタカに行く末を任せっきりなのは、アレン=宮崎吾朗 ハイタカ=宮崎駿 なのだろうな、とまず重ね合わせる。で、アレンがワイドショーの主役っぽいキャラだと明かされる。ダークだ。
展開というか、画面がゲームっぽいのもニートが作ったっぽくて素敵。
作画のコケおどしで納得させられてるような気もするけど、そもそも「魔女の宅急便」以降*2宮崎駿作品が、「作画のコケおどし」作品だ。映像体験の気持ちよさで無理矢理納得してしまう中身の無い映画。それらは皆つまらない映画だったけど「ゲド戦記」は面白かった。
ただ「ゲド戦記」は観終わる事で他の宮崎駿作品のような気持ちよさは味わえない。その満足度不足で減点されると思うが、
ダーク・ファンタジーだから仕方がない
と俺は納得。逆に気持ち悪さを評価した。
気になった点2つ。
クロトワ(「ナウシカ」)似が出てきたのは がっくりきた。しっかり別キャラを造形してくれ。作品に安物感が浮き出てしまう。
あとポートタウンて名前も萎えた。
この作品世界で龍がどういう種族なのかよくわからなかったけど、この辺は まあいいや。

*1:幻想的な作品をつくれる人は たくさんいる気がする

*2:ハウルの動く城」は何かあるかも。ひょっとしたら。ただ倍賞千恵子がアレなので二度と観ようとは思わないけど。