4日前

夜、ドアを開けたら老婆が寝てた。あわわわ。
深夜2時頃、24時間スーパーに買い物に行こうと思ったら、すーすー寝てるの。コンクリの上で、仰向けで、普段着で。
とりあえず起こしました。予断で隣に住んでいる人の関係者かな、と思いました。隣人は基本的に一人暮らしだけど子供だか知人だかと短期、一緒に住んでた事があったのでまた泊めてるのかと。それで喧嘩かなんかで追い出されたのかと。
隣の電気が点いてたのが判断材料。
寝惚けてるのか、事情を話したくないのか老婆が要領を得ない。「いいんです。構わないでください」みたいなかんじ。隣室に入れないような事を言っている。そのドアを叩くが返事なし。
さあ、どうする?ちょっとフリーズしかかりましたよ、僕は。
警察案件にしよう。そう決めた。冬だし。
まずしつこくドアを叩く。応答なし。
老婆に詳しく状況を聞き、話してくれないなら警察に連れてく旨を言おう。そんで「入れてくれないなら、この人を警察に連れてく」事を言ってノックしよう、と。
で聞いてみて自分の誤解がわかったのですが、隣の人の関係者ではなく隣人本人でした。「あれ違うかんじじゃなかったかな」と思ったけど、まず隣人の顔をよく覚えてない。入室できないのは 何故か鍵が上手く開かないから。
「そうですね、そういう事ありますよね」と言いながら考えた。さあ、どうする?
(俺の部屋は廃墟風の散らかり様で予備の布団なし。あと今僕は腹がへってる)
仕様がない、部屋に連れ込もう。とりあえずスーパーには行って、その後に。 不在時に俺の部屋には入れたくない。
今の今は、と考えた。部屋に戻り膝掛けに使っている布団を持って来て隣人にかける。どうせ部屋の中は野外なみの汚さだ。身許がはっきりした(気がする)人には手の平返して優しいんだ、と自分に驚く。
さて、と出ようとすると鍵が落ちてる事に気付く。
「あ、これですね」と鍵を拾い、ひょっとしてと思い、鍵を開ける。一度目だめ。二度目開いた。
か解決した。良かった。
(エピローグ)
スーパーに行ってる時、もしあの人が隣人じゃなかったらどういう罪に問われるんだろ、と少し思う。
鍵が開かない事って自分にもあった気がしたが記憶違いで鍵をなくして入れなかった時と混同してた気がする。今回もただ鍵を落としただけってのが真相か。
なにはともあれ最初の光景は夢のようだった。