漫画

天使な小生意気西森博之 を読む。
何度も読んで最近、自分の中で評価が高まってきてる。今「ハンター×ハンター」より上。
どこまで自由に空想の羽根を伸ばせるか、という挑戦は高校生の設定からでもここまで可能なのか、と驚く。ファンタジー設定でなく、地続きからの冒険だ。
この漫画が何に似ているかと言えば「ドラクエ」である。パーティーを組むロープレの世界だ。「バカ」「普通」「変」「かっこいい」と種類の違ったキャラが「天使のようなヒロイン」を軸に組み合う妙がキモ。読者がプレイする好みのキャラを用意している、という事だ。
「パーティー」「魔法」「運命」が物語の骨格なのだが、伏線が非常に長く張られているのが、連載漫画には珍しく 「ブレないストーリーが最初にありき」の証明。(こんな長い伏線は「気分はグルービー」以来) 背表紙も話の決着点というか、本来どういう話なのかを最初から示唆していることに最近気付いた。
長期シリーズだが、名前だけ出て登場しないヒロインの祖母(12巻141頁)がいる等、まだ余力があることを窺える。
難を言えば「キャラが殴られる程盛り上がる」のが少しワンパターン。
「伊賀のカバ丸」のような少女漫画テイストがある気もするのだが……。